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牧野ちゃんは計算高い
- 牧野ちゃんとバイト -

「……店長、これから先輩のランニング時間なのでバイト抜けても」
「ダメに決まってるし、よくそれが通ると思ったね君は⁉︎お姉さんびっくりだよ⁉︎」
「お姉さん……⁉︎」
「ちょっと……いや、かなり失礼な発言だよね?」
店長は27歳(自称22歳だが免許証をこっそりと盗み見ることに成功)と、お姉さんかおばさんか。
どちらの呼び方であれど、微妙なところなのだ。
お姉さんよりのおばさん、かな?
「恋をすること、大いに結構。しかぁし、バイトに支障が出ることはやめてよね〜?困るのは店長のアタシであって……」
「店長が貴女だから大丈夫かと」
早くしないと先輩が走りきってしまう。
店長には、好きな人とランニングがしたいという気持ちがあって、という風な言い方をし、特にストーカー等と疑われることもなかった。
「そっか……って納得できないね⁉︎なんでアタシはそんなにお前にナメられている⁉︎」
黒髪ミディアムを、簡単に1つ結びにした髪型。
一重で、切れ長の瞳は、本人はコンプレックスらしいが、スタイルの良い彼女には似合っていて格好良さまで覚える。
それが、私のバイト先である、『ヒナマート』の店長であった。
「ただでさえ、今日はシフトの子少ないんだから……」
「客なんて全然来ないじゃないですか。それに……」
客が来ないことに関しては、意外にも店長も思っていたようで黙り込んでいた。
立地が悪かったんだ……潰れるレベルで来ない訳じゃないから大丈夫……
「今日は、薫さんも居ますし」
「たっ、確かにとても頼りになる薫は居るよ⁉︎でも、それはそれでアタシの心が持たないかな⁉︎」
「恋をすること、大いに結構。とおっしゃったのはどちら様だったでしょう?」
私の言い分に、店長は怯んだようだ。
薫さんは、25歳のちょっと実年齢より上に見られがちな、強面社員だった。
店長が薫さんに好意を持っているのは明白だった。分かりやすいのだ、この店長は。
「という訳で、お二人でゆっくりとコンビニ店員してくださいよ〜。じゃ、牧野は行って来ます!」
そして私は、爽やかな笑顔で店を出た。


ランニングコースは、曜日ごとに変えている先輩だが、そんな少しを覚えることくらい容易であった。
「ふふっ、学校とかの関係で週に3回しか見れないのが先輩のプライベートなランニング!これは堪能堪能〜♪」
「……美優ちゃん?」
「その声はっ、私が大事な時によく現れ、嫌ぁなニュースを言って帰る……私の幼馴染!」
「名前で呼んでよ……というかよく分かったね」
嫌なニュースがあるとでも言うのか。
ははは、まさかそんな。そんなこと、あってはならない。
「先輩、もうランニング終わったみたいだよ?」
「……清瀬、私バイト戻るわ」
「おお、潔い……」
「こんな事態にした店長の幸せをぶった切らなきゃいけないの」

<2016/11/23 09:06 錯乱咲良>消しゴム
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