「おい、お前。」
階段の上から声をかけられた。
「はい?・・・」
顔を上げると、そこには10歳くらいの男の子がポケットに手をつっこませながら立ってた。
「お前、暇か?」
「・・・暇?」
いきなり異世界の住人に話しかけられたので少し驚いた。
しかも「そこ邪魔なんでどいてくれませんか」みたいなことでもなく、ただ唐突に「暇か?」と聞くなんて、どんなやつだと思った。
「そうだ。暇か?」
その少年はジャケットみたいなものを着ていて、首にネックレスみたいな紋章のついたものを下げていた。
「暇・・・ってわけでもないけど・・・。俺を使って何するんだ?」
「とにかく一緒に来てほしい。それだけだ。」
「来てほしいって・・・どこ行くの?」
「色々だ。」
「・・・例えば?」
「色々っていったら色々だ。」
・・・なんなんだこのガキは・・・。
「・・・っていうかなんで俺なの。他にもたくさんいるだろ。」
「お前が一番暇そうだったから。」
・・・さすがに少しイラっとしてきた。
「・・・いや、確かにそうだけどさ。いきなり話しかけてきて「ほい、いいですよ。」っていうやつがいると思うか?」
「・・・じゃあもし頼みを受け入れてくれたら、何か一つお前の願いを叶える。これならどうだ?」
願い・・・?
「あ、もちろん現実的なやつだけな。」
願い・・・。ん、待てよ、これはもしかして使えるんじゃないのか。このタイミングで飯をくれって言ったらOKしてくれるんじゃ・・・。
試しに言ってみた。
「・・・そんじゃあ、お前と一緒にいる時間中、飯をくれ。そうしたら同伴OKだぜ。」
「飯?お前・・・その年にしてホームレスか?孤児ならいいとこ紹介するぞ。」
「いや、ホームレスってわけじゃないんだけど・・・まあ、半分合ってる。」
「それじゃあ交渉成立。さっそく来てもらうぞ。」
「え、それって飯おごってくれるってこと?くれなきゃ同伴やめるぞ。」
「まあそういうことだな。」
案外普通にOKしてくれた。これでとりあえず飯の心配はいらないな。
っていうか、さっきもし「金をくれ」って言ったら本当にくれたのか?もしそうならそうすれば良かった・・・。
「とりあえずこっちに来い。来なきゃ飯はやらんぞ。」
色々考えているうちに、いつの間にか市場の道に出ていた少年が呼んできた。
いきなり声をかけて一緒に来いだなんて不思議な少年だなと思った。
・・・とりあえず行くか。
「よっこいしょ」と声を出しながら階段を立ち上がり、先ほどまでいた市場へと駆け足で向かい、少年と合流した。
やれやれ、面倒な依頼を受けちゃったな・・・。
市場は相変わらず賑わっていて、人混みで少年をたまに見失う。
「そういえば、お前名前なんていうの?」
「・・・。」
市場に飛び交う雑踏でどうやら聞こえていないようだ。市場を抜けるまでこりゃ会話のしようがないな。
俺はその後20分くらい一生懸命に少年を目で追って後ろをついていった。
たまに他人の靴を踏んでしまい、「あ、さーせんした。」となることもしばしあった。
しばらくしてやっと市場を抜けた。
市場の末端の家の壁に、少年はもたれかかりながら待っていた。
「あー、やっと出た・・・。」
「こんなので疲れてるのか。まだまだだな。」
・・・お前に言われたくはねーよ・・。
「ほんで、俺は何をすればいいのかな。ただ同伴していればいい・・・とか?」
「そうだな・・・しいて言うならもし「お前は誰だ」と聞かれたら「こいつは俺の弟です」と答えてほしい。」
「いや・・・それ、お前が逃亡中の犯罪者で俺がお前をかばってるみたいだな。もし本当に犯罪者なら勘弁だぞ。」
「安心しろ。俺は何も犯罪はしてない。ただ、お尋ね者であることは間違いないな。」
「お尋ね者って・・・。」
なんだか不安になってきた。
「あ、そういえば、さっき聞きそびれたんだけどさ。お前、名前なんていうの?」
「名前・・・少年、とでも呼んどけ。」
あまりにもあやふやな答えに少し戸惑った。
「は~。じゃあ、年齢は?」
「・・・10だ。」
その口調と恰好で10歳かよ・・・。
「・・・分かったよ。もし誰かに「こいつ誰だ」って聞かれたら「俺の弟だ」って言えばいいんだな。」
「・・・そうだ。」
するといきなり後ろから肩を叩かれた。
「え・・・。」
「あんた、こいつを見なかったか?」
さっき交番にいたような警察官が、似顔絵が描かれた紙を右手に持ちながら聞いてきた。
聞き込み・・・ってやつかな。
っていうかこの似顔絵、明らかにそのガキだし。マジでお尋ね者だったのかよ・・・。ってん⁉
「いや、そこにいる坊主が妙に似ているような気がして。」
「い、いや、こいつは俺の弟ですよ。なんかー、今日だけで5回も聞き込みされちゃってですね、マジで困ってたところなんっすよ。ほ、ほんと似てますよね。」
いきなりの質問にマジで戸惑った。
後ろを振り向くとフードを右手で深くかぶらせ、明らかに自分の気配を消そうとしている。
「・・・そうですか。まあご協力ありがとうございます。何か情報があればすぐに衛士隊まで。では。」
そういうと警察官・・・いや、衛士は後ろを振り向いて向こうへ行ってしまった。
「・・・。」
「ありがとう。助かった。」
「ま、まあこんな感じ・・・かな?」
「ああ、さっきみたいに頼む。」
「・・・。」
「・・・どうした?」
「いや、何でも・・・。」
今の俺の頭の中はさっき見たこいつの正体のことでいっぱいだった。
「あ、あのさ、お前・・・」
「なんだ。」
「お前・・・」
階段の上から声をかけられた。
「はい?・・・」
顔を上げると、そこには10歳くらいの男の子がポケットに手をつっこませながら立ってた。
「お前、暇か?」
「・・・暇?」
いきなり異世界の住人に話しかけられたので少し驚いた。
しかも「そこ邪魔なんでどいてくれませんか」みたいなことでもなく、ただ唐突に「暇か?」と聞くなんて、どんなやつだと思った。
「そうだ。暇か?」
その少年はジャケットみたいなものを着ていて、首にネックレスみたいな紋章のついたものを下げていた。
「暇・・・ってわけでもないけど・・・。俺を使って何するんだ?」
「とにかく一緒に来てほしい。それだけだ。」
「来てほしいって・・・どこ行くの?」
「色々だ。」
「・・・例えば?」
「色々っていったら色々だ。」
・・・なんなんだこのガキは・・・。
「・・・っていうかなんで俺なの。他にもたくさんいるだろ。」
「お前が一番暇そうだったから。」
・・・さすがに少しイラっとしてきた。
「・・・いや、確かにそうだけどさ。いきなり話しかけてきて「ほい、いいですよ。」っていうやつがいると思うか?」
「・・・じゃあもし頼みを受け入れてくれたら、何か一つお前の願いを叶える。これならどうだ?」
願い・・・?
「あ、もちろん現実的なやつだけな。」
願い・・・。ん、待てよ、これはもしかして使えるんじゃないのか。このタイミングで飯をくれって言ったらOKしてくれるんじゃ・・・。
試しに言ってみた。
「・・・そんじゃあ、お前と一緒にいる時間中、飯をくれ。そうしたら同伴OKだぜ。」
「飯?お前・・・その年にしてホームレスか?孤児ならいいとこ紹介するぞ。」
「いや、ホームレスってわけじゃないんだけど・・・まあ、半分合ってる。」
「それじゃあ交渉成立。さっそく来てもらうぞ。」
「え、それって飯おごってくれるってこと?くれなきゃ同伴やめるぞ。」
「まあそういうことだな。」
案外普通にOKしてくれた。これでとりあえず飯の心配はいらないな。
っていうか、さっきもし「金をくれ」って言ったら本当にくれたのか?もしそうならそうすれば良かった・・・。
「とりあえずこっちに来い。来なきゃ飯はやらんぞ。」
色々考えているうちに、いつの間にか市場の道に出ていた少年が呼んできた。
いきなり声をかけて一緒に来いだなんて不思議な少年だなと思った。
・・・とりあえず行くか。
「よっこいしょ」と声を出しながら階段を立ち上がり、先ほどまでいた市場へと駆け足で向かい、少年と合流した。
やれやれ、面倒な依頼を受けちゃったな・・・。
市場は相変わらず賑わっていて、人混みで少年をたまに見失う。
「そういえば、お前名前なんていうの?」
「・・・。」
市場に飛び交う雑踏でどうやら聞こえていないようだ。市場を抜けるまでこりゃ会話のしようがないな。
俺はその後20分くらい一生懸命に少年を目で追って後ろをついていった。
たまに他人の靴を踏んでしまい、「あ、さーせんした。」となることもしばしあった。
しばらくしてやっと市場を抜けた。
市場の末端の家の壁に、少年はもたれかかりながら待っていた。
「あー、やっと出た・・・。」
「こんなので疲れてるのか。まだまだだな。」
・・・お前に言われたくはねーよ・・。
「ほんで、俺は何をすればいいのかな。ただ同伴していればいい・・・とか?」
「そうだな・・・しいて言うならもし「お前は誰だ」と聞かれたら「こいつは俺の弟です」と答えてほしい。」
「いや・・・それ、お前が逃亡中の犯罪者で俺がお前をかばってるみたいだな。もし本当に犯罪者なら勘弁だぞ。」
「安心しろ。俺は何も犯罪はしてない。ただ、お尋ね者であることは間違いないな。」
「お尋ね者って・・・。」
なんだか不安になってきた。
「あ、そういえば、さっき聞きそびれたんだけどさ。お前、名前なんていうの?」
「名前・・・少年、とでも呼んどけ。」
あまりにもあやふやな答えに少し戸惑った。
「は~。じゃあ、年齢は?」
「・・・10だ。」
その口調と恰好で10歳かよ・・・。
「・・・分かったよ。もし誰かに「こいつ誰だ」って聞かれたら「俺の弟だ」って言えばいいんだな。」
「・・・そうだ。」
するといきなり後ろから肩を叩かれた。
「え・・・。」
「あんた、こいつを見なかったか?」
さっき交番にいたような警察官が、似顔絵が描かれた紙を右手に持ちながら聞いてきた。
聞き込み・・・ってやつかな。
っていうかこの似顔絵、明らかにそのガキだし。マジでお尋ね者だったのかよ・・・。ってん⁉
「いや、そこにいる坊主が妙に似ているような気がして。」
「い、いや、こいつは俺の弟ですよ。なんかー、今日だけで5回も聞き込みされちゃってですね、マジで困ってたところなんっすよ。ほ、ほんと似てますよね。」
いきなりの質問にマジで戸惑った。
後ろを振り向くとフードを右手で深くかぶらせ、明らかに自分の気配を消そうとしている。
「・・・そうですか。まあご協力ありがとうございます。何か情報があればすぐに衛士隊まで。では。」
そういうと警察官・・・いや、衛士は後ろを振り向いて向こうへ行ってしまった。
「・・・。」
「ありがとう。助かった。」
「ま、まあこんな感じ・・・かな?」
「ああ、さっきみたいに頼む。」
「・・・。」
「・・・どうした?」
「いや、何でも・・・。」
今の俺の頭の中はさっき見たこいつの正体のことでいっぱいだった。
「あ、あのさ、お前・・・」
「なんだ。」
「お前・・・」
