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契約者の多世界解釈
- サイレント歌劇団 -

この世界には僕ら以外にもう一つの人間が生きている。彼らは意志と魂のみでこの世に存在し、好きな物質に乗り移り、操る。俗世間で言う所の憑依と言うやつだ。しかし、世の中にはそんな彼らの抗体を持ち、契約する者が居る。彼等をその業界では「セレクター」と、呼び彼らは意志と魂だけの存在「エレクター」の力を借りこの世と対峙している。そう、貴方達の周りにもその能力を持った彼等はいるかも知れませんよ。

東京都 銀糸町。真っ黒な夜。静かな夜の都会に静かな歌劇団が4人、またこの街に現れた。4人は銀糸町のイタリアンファミリーレストランにいた。
「ハネル。今日の仕事と、他の仕事の依頼一覧を見せて」
白いに黒い薔薇のワイシャツに紺のカーディガンを着た男が灰色に緑のラインのジャージを着たハネルなる男に呼びかけた。
「ujan摩(ウジャンマ)。お前はいつになったら自分で調べるんだ。この間の英語の教科書も貸したまま未だに返ってこない。いい加減にしてくれ!てか、せめて先月貸した3000円は返してくれよ〜」
ハネルはujan摩に困り気味に言う。
「堅いことを言うな〜男が硬くていいのは下の剣のみ何つってな〜」
もろ下ネタを打ち込みながらujan摩は依頼の一覧を見る。
SNSにハッシュタグで「#静かな劇場に大きな悲鳴」と、打ち込み仕事内容を書く。それが俺らサイレント歌劇団へのSOSのサインだ。ujan摩は周りの3人を見渡す。
「今回の仕事は面倒か?」
と、言った背がメンバー内で一番高く、青いラインに黒いパーカーを着たこの男は私立の体育学校へ通うサイレントネームは(歌劇団内での名前の事)シルフ。
「しらねーそれよりよ、ujan摩このAVやばいぞ」
メガネをかけて某アダルトサイトの宣伝をしてくるこいつのサイレントネームはカイン。そして、さっきから資料整理してるこの頭の薄いカッパは-
「うっせーよ!心の中の声丸聞こえだわ!」
ハネルだ。
「間違った事は言ってない。」
シルフがハネルに釜をかける。
「間違ってねーけど!頭薄いけど!」
「あと、カッパだろ!」
「確かにね、半妖怪だよってコラ!」
2人の言い合いにカインが介入。
「おい!カッパ!」
「カッパ言うな!サイレントネームの意味無いだろ」
そんな彼の目は少々涙目だった。
(まぁ、中三の頃から相変わらずの感じだな。あとは、あいつが目覚めてくれれば…)
ujan摩はそんな3人を見ながら少し妖艶に笑った。
「んで、ujan摩。次の仕事、いや、今夜の仕事はどうすのじゃ?」
シルフの後ろにフードを被った青い髪に青い瞳の少女が腕を組んで中に浮いていた。
「エンブ、少し待て。今見てる。」
ujan摩はそう言い資料に目を通す。
エンブ。そう、彼女は俺ら以外の人には見えない。俺らは契約者。エレクターなるいわゆる幽霊のような存在に力を貸したり借りたりする関係を築くことができる。そんな俺らのような奴を世間の奴らはセレクターと言う。
色々と契約に至るまでには有るらしいが今はまだ話さないでおこう。因みにエンブはシルフのエレクターだ。
「この間、仕事の最終手続きをしてきた。」
ujan摩は三つの資料から1枚取り出した。依頼主は可愛げな女子高生だった。
「すでに報酬は入金されている。今宵はこの子の無念の為に」
ujan摩は一枚の写真を取り出す。
「こいつらに因果応報をする。」
指差した写真は依頼主が集団レイプされてる写真だった。
「カッp…ハネル。読んでくれ」
ujan摩は資料をハネルに渡した。
「言ったよね!今完璧にカッパって言ったよね!」
「黙れ!カッパ!」
シルフが笑い混じりに怒鳴る。
「えー…えー⁈理不尽じゃね?俺の扱い!」
「うるさい。読め、カッパ。」
ujan摩がとどめを刺す。カッP…ハネルが手元の資料を読み始めた。
「依頼主は谷口美紗子。6月5日、ここ銀糸町の銀糸公園で学校からの帰宅途中に地元の不良グループに暴漢を受け、写真も撮られ今もなおSNSにこの写真をばらまくと脅迫されている。まぁ、酷いね」
「ようは肉便器かよ」
カインが言った。
「とりま、これから銀糸公園に行くぞ〜」
拍子抜けた声でujan摩がいう。
「因みに報酬金は?」
シルフが聞く。
「とりま、俺らがお腹いっぱいに焼肉が食える程度と思って」
ujan摩は会計を済ませて外に出る。
「世の中には報われない悲しみや憎しみ恨みが沢山あるんだ。神様はそういう理不尽には目を背けやがる。」
ujan摩の硬く握られた拳。それを白い肌の手が優しく撫でた。
「あまりカリカリしないでね。」
彼の隣に現れた白髪に赤い瞳の少女。彼女はujan摩の契約エレクター、イズナだ。
「あぁ、大丈夫さ。」
4人は夜の都会の闇に消えて行った。S級と呼ばれる契約者の集まり。それがサイレント歌劇団。彼らの仕事はこの世の報われない人々の代わりに復讐を果たす事。それが彼等の仕事なんだ。夜の公園を数名の男が逃げ惑っていた。
「ひぃぃぃ‼︎」
黒いパーカーの男が涙ながらに逃げ惑う。彼の真下にはコンクリートを泳ぐ青い鯉がいた。男はあまりの恐怖に公園内の噴水に飛び込んだ。
「ここなら、あの鯉も来ない。何なんだよあいつらは!」
すると男の背後から
「世直しだよ。お前らへの報復さ。」
シルフが暗闇から現れた。
「エンブ。来い。」すると噴水の中から飛沫をあげ一匹の鯉が出てきた。その鯉は宙でフードを被ったいつもの少女の姿に戻った。
「セレクターは契約したその時にエレクターが持つ特殊な能力を得るんだ。」
そう言うと彼は飛沫を弾丸の形に凍らし宙でその氷の弾丸を静止させた。
「因みに俺は液体を好きな形に操ったり凍らせりする事ができる。」
そう言うと後ろのエンブが彼の体内に入る。
「そして、契約者はその能力をエレクターと一体化する事により解放する。」
シルフの中にエンブが入った瞬間、彼の金髪に近かった髪色はエンブの様に青い髪、そして青い瞳に変わった。
「その一連の行為を俺らの間ではこう言う。」
その言葉と共に静止していた氷の弾丸は男めがけて放たれた。

公園近くの総合体育館の駐車場。此処には2人の男が逃げた。
「ひぇええ‼︎」
2人は無我夢中で逃げていた。その瞬間何かが風を切った。1人突然倒れこんだ。一瞬、こめかみを撃ち抜かれた様な気がしたが気のせいだろうか?もう1人の男も同じくこめかみを撃ち抜かれる。しかし、2人には出血も何も無い。が、脈は動いてなかった。
緑の髪に緑の瞳。エレクターと一体化したハネルが銀の装飾の施された特殊なスナイパーライフルを担ぎ総合体育館の向かいのビルの屋上に姿を現した。彼は一体化を解くといつも通りの黒髪に戻った。そして彼の肩には緑のトカゲが這っていた。そのトカゲが姿を変え緑の髪に緑の瞳の幼女の様な女の子になった。
「おめー!またまた良い感じにドドン!っと当てましたなー」
女の子はハネルの隣で騒ぐ。もちろん彼女もエレクター。ハネルや契約者以外の人には聞こえない。
「リロ。うるさいぞ。」
ハネルの能力は精密射撃とインビシブル。まさに暗殺向きだ。そして、ハネルは再びリロと一体化し姿を消した。

紫の髪に紫の瞳。一体化を行ったカインは銀の装飾の施されたハンドガンを持ちニヤニヤしながら逃げ惑う男を追っていた。
「本当なら普通に殺しても良いんだけどよ!お前の魂!おナホにでもしてやるよ!」
そう言うと彼はハンドガンを撃った。弾は男の背後の心臓部に命中。しかし、ハネルの様に血が出ない。そして、撃たれた男には恐るべき事が起こった。男は撃ち抜かれた瞬間幽体離脱したのだ。するとカインはバレットを変えもう一撃幽体離脱した方へ放った。
「魂の創造(ソウル プロダクト)‼︎」
放たれた弾は幽体離脱した男へ当たった。
「お前の魂は今日からおナホだ!」
そう言うと幽体離脱した男の魂はこんにゃくになってしまった。
「ありゃ、まぁ、色んな意味で正解だけどな」
そう言うとカインは落ちたこんにゃくを拾った。彼の能力は魂と体を突き離し体から出た魂を別の物に変えてしまう。魂の創造(ソウル プロダクト)だ。一体化を解くと銃は消え肩には紫のフクロウが乗っていた。フクロウは紫の巨乳なお姉さんに姿を変えた。
「ふわぁーすっきりしたーでも、違うのが溜まっちゃったなぁ〜」
お姉さんはカインの顔を見る。
「サキュラうるせーよ!」
カインはそう言い終えると公園の暗闇に姿を消した。

「そうか、てめーらエレクター使いの契約者だな!」
最後の1人を追うのはサイレント歌劇団の団長のujan摩だ。
「って事はお前も契約者か。」
ujan摩は白い目で男を見下した。彼の横には炎を纏った白い狐がいた。不良グループのリーダーらしき男はモズグリーンの蛇を体内に入れた。男の瞳はモズグリーン色になった。
「S級の実力見せて貰う!」
すると男はujan摩のしたの草花を束ね足の動きを止めた。
「俺は草木を操れる!死ね!」
ナイフを胸ポケットから取り出し飛びかかる。
「次、お前は下からナイフを切り上げる。」
ujan摩はそう言うと、男はまんま同じ事をした。ujan摩はその攻撃を体をそらせかわした。
「次は左凪払い。」
男はまたまたナイフを左凪払いした。ujan摩はそれに対応した動きをし回避する。
「そして、次は足払い。」
男は足払いをした瞬間足に絡み付いた草花を切った。
「何で行動が読めるんだ!」
男は冷や汗をかき言った。ujan摩はイズナを呼び一体化した。彼の黒い髪に黒い瞳はイズナの白髪に赤い瞳へと変わった。
「目だ。人は行動の前に目が物を言う。俺にはそれが読める。」
ujan摩は小太刀を体内から取り出し、
「よって!俺は誰よりも速く!」
風が過ぎたのかの様に男の隣をujan摩は通り過ぎた。
「先制攻撃が行える。」
男はその場に倒れこんだ。血飛沫をあげ倒れこんだ。
「本来なら血は出ないが契約者同士の戦いは別だ。契約者同士の時は血も出るし、契約も解除される。」
ujan摩の背から少女の姿のイズナが出る。
「契約者の一体化を俺らはこう言う。‘Integration’と。」
後の3人とも合流し、その後瀕死の魂をカインの魂の創造により小石に変えその辺に捨てた。死んじまったリーダーは契約者同士の戦いにより契約上は記憶を失い後遺症として何か一つが不自由になる。なおかつ能力は二度と使えない。それが掟だ。
「神が見逃した因果応報を請け負うのが俺ら、サイレント歌劇団の仕事さ。」
彼らはこの後報酬を山分けし各々に別れを告げいつもの高校生に戻って行った。

久々に投稿しました。銀色の翼さんとのコラボ作です。よろしくお願いします。私の別の作品はこのサイトの旧館で見れます。
<2016/10/17 02:14 光ノ宮 紗紗>消しゴム
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