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契約者の多世界解釈
- 扉を叩け -

リンネと出会い数日が経った。俺、倉井正はエレクターについて色々と学んだ。一体化すると能力を得るタイプと一体化せずとも能力を得るタイプや、戦闘の方法。慣れると意外と楽なものでもう大半は使いこなせる様になっていた。
「今日の購買はコロッケが安いのか」
倉井は友達に語り掛けた。
「なら、あとで買いに行くか。」
何気ない日常にもなれほのぼのとした日常が戻って来た。その時だった。
「倉井正君。居ますか?倉井正君。」
彼の目に1人の女子学生の姿。確か、3年の生徒会の人…。
「あ、はい。俺が倉井です。」
「至急、生徒会室の方へ来てもらいます。」
「え?」
と、言われるなり彼は手を引かれ最上階の生徒会室に連れて行かれた。生徒会室には会長とさっきの生徒会の女子の他に知らない人達もいた。
「この人は?」
倉井が問う。
「そう、紹介しよう。」
うちの学校の女会長、外堀 杏奈が喋った。
「先日、謎の女性の強襲攻撃にうちの生徒と教職員、事務の方々が襲われました。ましてやガラスも破られて…しかし、彼女を追っ払った者がいる。私達生徒会はその人を探してました。」
倉井は謎の汗をかいた。
「そして、貴方。2年6組、倉井 正君。貴方の目撃情報が浮上したのです。」
倉井は問い返す。
「どうやって俺だって?第一、俺にはそんな力は…」
「あるのです。」
後ろから会長とは別の声が聞こえた。
「あるのです。この私、香西 茉莉花(こうざい まりか)がちゃんと見てたのです。」
倉井の後ろにはピンクと水色マフラーで口元まで隠した香西茉莉花の姿があった。
「そこで、提案です。」
会長が再び口を開いた。彼女は指を差しこう言う。
「貴方を我が校のセレクター委員会に強制参加してもらいます!」
倉井は初耳だった。
「セレクター委員会⁈」
「我が校の裏、秘密裏に校内と生徒及び周りの地域の秩序を守る。それが我々の仕事だ。」
会長の後ろから紫の長い髪の女性が現れた。
「私は3年4組。セレクター委員会委員長、笹木 誉(ササキ ホマレ)。我々の委員長は今は3人。3年の私、2年の副委員長の茉莉花。そして、今ここにはいないが1年の黒羽 翔太(クロバネ ショウタ)の3人。貴方の力が必要なの。力を貸してくれない。」
倉井は暫く黙り込んだ。
「考える時間を下さい。」
冷静な判断だった。倉井は静かにその場を去った。
「俺のやるべきこと…」
倉井は頭を抱え悩んだ。
この日の夕方、突然の団長の連絡で鶴戸の中華料理のファミレスにサイレント歌劇団は集合した。ハネル以外の皆はいつも通りのていたらくだった。そんな中ujan摩がやって来た。彼は席に座り次第口を開いた。
「この間、ハネルに頼んである組織の施設の偵察に行ってもらった。」
そう言って彼は資料ととある物質の入った袋を取り出した。
「developersの残党の施設で開発されていた。」
その袋の中身は白い粉の様なものだった。
「これって…」
シルフが袋を持ち上げ眺める
「麻薬?」
ujan摩は口を開き
「ある種の覚せい剤。擬似セレクター能力解放の覚せい剤だな。」
どうやらハネルはこれを偵察の時に持って帰ってきたらしい。サイレント歌劇団の下にあるグループ【ミニオペラズ】のメンバーの1人が薬品に詳しく、彼の方に依頼を出していた。と、ujan摩は言った。
「んで、今日の緊急招集はなに?」
カインが言った。
「あぁ、これより薬の密売人の集まりがあるとハネルから情報を得てな奴らを捕まえて吐かせる。」
「成る程ね。だから今日は河童が居ないのか。」
シルフが言い、
「ハネルには先にその集会所に行ってもらってる」
「で、その集会所ってどこ?」
カインが問いただした。
「…集会所は」
ujan摩が静かに言う。
「集会所は⁈」
2人がつられる。
「集会所は!」
「集会所は⁈」
ujan摩が大きく深呼吸をする。そして、
「この上の麻雀の店だ。」
「………」
エレベーターで30秒後、ハネルと皆で合流した。
「ドアはここの一つ。一気に攻め込む。」
ujan摩が言う。
「おい、ujan摩。作戦会議をしたんだよな?」
ハネルが言った。
「当たり前だ。」
「んなら、なぜ口の周りにソースが付いてる。」
「……何の事だ?」
ujan摩はしらばっくれた。
「テメェ!飯食ってただろう!俺を1人ここに置いて!」
「そんな訳ねーだろー‼︎」
シルフが言う。そういうシルフの口の周りはご飯粒だらけだった。
「何だお前ら!」
(この声がデカ過ぎた!)4人はばれてしまったならと一斉に一体化をし戦闘を開始した。その後ミニオペラズが合流。因みにミニオペラズはサイレント歌劇団の所属グループで主にサイレント歌劇団のやらないランクの低い仕事とサイレント歌劇団の調査を代わりにしたりする。支援組織。構成メンバーはA〜Bランクまでの25人。ミニオペラズはサイレント歌劇団と違い絞られた構成員では無く、人数が多いい、よって広範囲での仕事こなせる。サイレント歌劇団とは別で関係的に言うなら同盟関係の方が近いだろう。密売人共はミニオペラズに引き渡された。
「ujan摩さん。お疲れ様です。」
ujan摩に声をかけたのはミニオペラズの団長であり唯一ミニオペラズのSランクセレクター。サイレントネーム(ミニオペラズも共通)はフリージア。彼女は浅黄水仙(あさぎすいせん)財団の一人娘らしい。
「おぉ、フリージア。すまないな。後の事を頼んだ。」
「いいえ、ujan摩さんやサイレント歌劇団の皆様のお願いです。誇りに思いますよ。」
フリージアは和かに笑い、
「ujan摩さん。今度、お手合わせの方をお願いしたいのですが…」
「ん?俺?、あー時間があったらね。」
そう言いujan摩は皆の元へ戻った。フリージアは手をギュッと握りしめた。
「フリージア団長。帰りましょう。」
水色の髪のミニオペラズの副団長のサイレントネーム、スイレンが呼びかけた。
「ん、…うん」
次の日の放課後、倉井は職員室の隣の秘密のセレクター委員会の部屋に行った。
「行くよ。リンネ。」
倉井はセレクターとして大きな一歩を踏み出した。

3話です。
<2016/10/20 00:45 光ノ宮 紗紗>消しゴム
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