*…*…*…*…*
分かるよ、その気持ち。私も少しだけあったんだ、そういう経験。
本当のことを話しても「言い訳だ」って聞いてもらえなくて、何回も何回も泣きながら説明したんだ。
お母さんの他にも、色んな専門家の人に説得してもらって、やっと納得させられたんだよ。
だから、あなたもそうやって立ち止まらないで、頑張って前を見ようよ。あなたには自分の欠点を認める勇気と優しさがあるじゃない。
それならさ、前に進もうよ。
一歩ずつ、一歩ずつでも。
ね、私も協力するから……だから一緒に頑張ろう。
私は、その震える女の子に手を差し出した。その女の子の記憶が、鮮明に脳裏に焼き付いていたから。
見えたんだ、女の子の悲しい思い出が。泣かせた女の子を見て、自分が悪かったって気が付いた女の子の記憶。
他人の記憶が伝わるって、こんなに切ないんだね。その人の辛さは分かるのに、具体的にどう辛いのかは分からない。その人にしか分からないものだからね。
妖精さんも、本当はすごく苦しかったのかな。私の記憶が見えなく不安だったのかな。
明日、ちゃんと謝ろう……。
「嫌だ、あんたなんか知らない!」
「それならさ、これから知り合いになって、友達になろうよ」
「嫌よ、もう人間なんか信用出来ない!」
「あなたも人間じゃないの…」
「私?はは、私をあんな連中と一緒にしないでよ!私は……私は!」
ぶわっっと目の前が真っ暗になる。女の子から漆黒の血液みたいな物が溢れ出て、辺りの空間を覆い尽くしたんだ。
一瞬だけ、紫色と黒のワンピースを身に纏った女の子の姿が見えた。
あのワンピースは………!
私が魔法少女の時に着てた、あのコスプレ衣装だ!
「……っ、まさか…!」
あの子、まさか__一人目の…光!?
