*…*…*…*…*
うう、初日から遅刻なんて許されないよ~!
重たい瞼を擦りながら坂道を上る。
「昨日のせいで脚が筋肉痛なんだよ」
妖精さんがやれやれ、といった様子であしらう。なんか冷たくなーい?気のせい?
まあいいか、そういう性格なんでしょ。
それより、昨日のこと……気にしてるのかな。
「はーい、これで授業は終わりでーす。宿題ちゃんとやってこいよ~」
「はーーい」
やっと授業が終わったよ。朝は遅刻ギリギリだったし、なんかもう早く休みたかった。
机に突っ伏して溜め息を吐いた。
やっぱり私立だからかな、まだみんな誰かと話すのにもギクシャクしている。私も焦らなくて良いかな。
それより今は休みたい…。
「はーじーめまーーしてっ!」
ばっしーんと背中を叩かれる。いったいなぁ、何するのさ!
「こんにちは、あなた名前は?」
次の授業で自己紹介するでしょ~?でもいいや、話し掛けてくれたのに悪い印象与えたくないもんね。
「桜澤桃音です、よろしくね」
「可愛い名前だね!私は城田雪帆」
雪帆ちゃんかぁ。なんか優しい名前だよね。外見も全体的に白くて本当に雪みたいだよ。
「優しい雰囲気だね~」
「そう?ありがとう~」
二人で和む。何か知らないけど和む。(●´∀`●)って感じ。
「ねえ、ちょっといいかしら」
でもそんな雰囲気も、一瞬で凍り付いた。だって、如何にも厳しそうな眼鏡の女の子が、私を見下ろしてるんだもん……。ひえぇ、私何かしましたか?
肩で揃えられた濃い茶髪がサッと揺れる。
「ちょっと席を外してもらえる?」
「は、はい……」
雪帆ちゃんを睨みつけて追い払う……ってなにこの人、滅茶苦茶やな感じ!
「私に何の用ですか?」
もうさっさと済ませちゃおう。
「昨日の手紙読んでないの?」
「手紙…………あ」
校章バッジか。じゃあ、この子が赤羽紅ちゃん……?
「読んだのね。私が赤羽紅(あかばね/くれない)」
あぁ、くれないって読むのか…。流石にべには無いかぁ。
