「それで、お前はどうしたいんだよ?赤羽紅の側に居るのか、このまま家に帰るのか。」
「私、本人の気持ちを知りたいから……断られたら帰ってくるから!」
私は急ぎ足で校舎に吸い込まれていった。
「……やれやれ」
妖精さんが、微笑してくれたような気がした。
*…*…*…*…*
「赤羽さんっ!」
保健室の戸を叩いて、勢いよく開ける。物凄い音を立てながら跳ね返ってくる戸。
「赤羽さん、具合…大丈夫?」
「……桜澤さん!?」
赤羽さんは驚いた表情で起き上がった。ある程度、顔色は元に戻っていた。
「桜澤さん…どうしたのよ、もう下校時刻になるわよ?」
「えっと、その……謝りたくて、お昼のこと……」
真っ直ぐに赤羽さんの顔が見られなくて、思わずうつむいてしまう。……あああ、どうしよう。
「あの事はもういいわ。私こそ驚かせてごめんなさい」
赤羽さんは苦笑して、少しだけシーツを握り絞めた…。
その表情には、苦痛の色も少しだけ見えたんだ。
「ねぇ、赤羽さん」
「……何?」
「私ね、赤羽さんと………友達になりたいんだ!」
私は思いきって打ち明けた。
「入学式の日にね、手紙をわざわざ届けてくれたでしょ?……あの時から、ずっと仲良くなりたいって思ってたんだ…。
特別な何かを感じたの、赤羽さんはきっと…几帳面で真面目だけど、優しくて思いやりのある人だなって……」
「そ、それは最初のイメージでしょ?今は__」
「今もそうだよっ!」
「……桜澤、さん」
「この1週間、ずっと話し掛けてきたよね。赤羽さんは迷惑そうにしてたけど…。でもね、それでも諦めないよ!本当に私のことが嫌いで鬱陶しいなら、私のこと殺してもいいよ!」
「桜澤さん………」
「お願い、心を開いて…!」
「……止めて、もう止めてっ___!」
赤羽さんの叫び声が保健室に鳴り響いた。
また、感情的になっちゃった。
「桜澤さん、私……桜澤さんのことが好きよ、本当は嫌いなんかじゃないのよ…」
赤羽さんはうずくまりながら話し出した。……少しずつ、声を絞り出して。
「本当はずっと仲良くなりたいって思っていたのよ。何回無視しても話し掛けてくれるのが嬉しくて嬉しくて。
……私には、今まで友達なんか出来たことなかったから」
……赤羽さんは涙を目に浮かべて声を漏らした。
夕日に照らされた頬に、透明の液体が伝う。……まるで、彼女の心の氷が溶けたみたいだった。
「小学校では、勉強ばっかりする私は良く思われてなかったの。そのせいで何かある度に私は悪者扱いされて…。
所謂いじめってやつよ。……暴言暴力は日常茶飯事だった。それをずっと引き摺っていて、中学校でも友達は作らないって決めたの」
赤羽さんは者しゃくり上げながら話し続けた。
「……でも、桜澤さんは違ったのよ。
どんなに冷たい相手にも、持ち味のその明るい心で、相手の心の氷を溶かしてくれる優しさがある」
「……うん、うん」
私の目からも、再び涙が溢れてきた。
「桜澤さんほど、心の痛みを分かってくれる子はいないわ。……本当はずっと、助けてほしいって思っていた。……今も、ずっと死ぬことばっかり考えてたくらい」
「そんなっ………!」
「だから、まさか桜澤さんが来るなんて思わなかったわよ。本当、人騒がせなんだから…」
赤羽さんはいたずらっぽく笑った。
……きっと、ここに引っ越してきたのも、それが原因なのかな。
「桜澤さん、……ありがとう」
「ううん、私も嬉しいよ…。赤羽さん、私は絶対に友達は裏切らないんだからね!」
「言われなくても、今までのあなたの行動を見ていれば分かるわよ」
「そうかな~」
「本当、自分がどれだけ素晴らしい人間かって自覚ないの?」
「そんなポジティブになれないよ~」
私は、この瞬間を忘れないよ。赤羽さんと打ち解けて、友達になれたこの瞬間を。
……本当は、赤羽さんって優しくて少しお茶目な普通の女の子だったんだね!
「私、本人の気持ちを知りたいから……断られたら帰ってくるから!」
私は急ぎ足で校舎に吸い込まれていった。
「……やれやれ」
妖精さんが、微笑してくれたような気がした。
*…*…*…*…*
「赤羽さんっ!」
保健室の戸を叩いて、勢いよく開ける。物凄い音を立てながら跳ね返ってくる戸。
「赤羽さん、具合…大丈夫?」
「……桜澤さん!?」
赤羽さんは驚いた表情で起き上がった。ある程度、顔色は元に戻っていた。
「桜澤さん…どうしたのよ、もう下校時刻になるわよ?」
「えっと、その……謝りたくて、お昼のこと……」
真っ直ぐに赤羽さんの顔が見られなくて、思わずうつむいてしまう。……あああ、どうしよう。
「あの事はもういいわ。私こそ驚かせてごめんなさい」
赤羽さんは苦笑して、少しだけシーツを握り絞めた…。
その表情には、苦痛の色も少しだけ見えたんだ。
「ねぇ、赤羽さん」
「……何?」
「私ね、赤羽さんと………友達になりたいんだ!」
私は思いきって打ち明けた。
「入学式の日にね、手紙をわざわざ届けてくれたでしょ?……あの時から、ずっと仲良くなりたいって思ってたんだ…。
特別な何かを感じたの、赤羽さんはきっと…几帳面で真面目だけど、優しくて思いやりのある人だなって……」
「そ、それは最初のイメージでしょ?今は__」
「今もそうだよっ!」
「……桜澤、さん」
「この1週間、ずっと話し掛けてきたよね。赤羽さんは迷惑そうにしてたけど…。でもね、それでも諦めないよ!本当に私のことが嫌いで鬱陶しいなら、私のこと殺してもいいよ!」
「桜澤さん………」
「お願い、心を開いて…!」
「……止めて、もう止めてっ___!」
赤羽さんの叫び声が保健室に鳴り響いた。
また、感情的になっちゃった。
「桜澤さん、私……桜澤さんのことが好きよ、本当は嫌いなんかじゃないのよ…」
赤羽さんはうずくまりながら話し出した。……少しずつ、声を絞り出して。
「本当はずっと仲良くなりたいって思っていたのよ。何回無視しても話し掛けてくれるのが嬉しくて嬉しくて。
……私には、今まで友達なんか出来たことなかったから」
……赤羽さんは涙を目に浮かべて声を漏らした。
夕日に照らされた頬に、透明の液体が伝う。……まるで、彼女の心の氷が溶けたみたいだった。
「小学校では、勉強ばっかりする私は良く思われてなかったの。そのせいで何かある度に私は悪者扱いされて…。
所謂いじめってやつよ。……暴言暴力は日常茶飯事だった。それをずっと引き摺っていて、中学校でも友達は作らないって決めたの」
赤羽さんは者しゃくり上げながら話し続けた。
「……でも、桜澤さんは違ったのよ。
どんなに冷たい相手にも、持ち味のその明るい心で、相手の心の氷を溶かしてくれる優しさがある」
「……うん、うん」
私の目からも、再び涙が溢れてきた。
「桜澤さんほど、心の痛みを分かってくれる子はいないわ。……本当はずっと、助けてほしいって思っていた。……今も、ずっと死ぬことばっかり考えてたくらい」
「そんなっ………!」
「だから、まさか桜澤さんが来るなんて思わなかったわよ。本当、人騒がせなんだから…」
赤羽さんはいたずらっぽく笑った。
……きっと、ここに引っ越してきたのも、それが原因なのかな。
「桜澤さん、……ありがとう」
「ううん、私も嬉しいよ…。赤羽さん、私は絶対に友達は裏切らないんだからね!」
「言われなくても、今までのあなたの行動を見ていれば分かるわよ」
「そうかな~」
「本当、自分がどれだけ素晴らしい人間かって自覚ないの?」
「そんなポジティブになれないよ~」
私は、この瞬間を忘れないよ。赤羽さんと打ち解けて、友達になれたこの瞬間を。
……本当は、赤羽さんって優しくて少しお茶目な普通の女の子だったんだね!
