クーラーで冷やされたコンビニ。
この冷たさとは違う冷気が、俺達3人の間に充満していた。
「アンタ等2人小豆の凄さ知らない訳?健康にも良くて疲労回復、肩こり、腫れもの、筋肉痛……それでもって美味しいとか最強でしょ」
冷酷な視線で俺と透を見据える鳴海。
鳴海が手に持つ小豆アイスは、赤紫が貴重となった和風なパッケージが写真とともにレタリングされている。
棒アイス派。このアイスの好みの第一関門はクリアしたんだ。
ただ、アイスの味が問題だった。
「チョコバニラに決まってるじゃないですか……あの艶やかなチョコでコーティングされた少し溶けたバニラアイスがなんとも言えないんです。その素晴らしさが分からないとは……」
そう言って静かに溜息をつく透。
普段よりも目つきを悪くした冷めた表情は、一部特定の変わった性癖を持つ透ファンにとっては堪らないのかもしれない。
ただ、俺はそう思わない。
なぜなら俺は…………
「氷菓子差し置いて他の棒アイスが目立とうとしてんじゃねぇよ‼︎美味いし安いしアタリつきだよ⁉︎こんな童心をくすぐられるアイスが有ろうか他に!!!!」
定価80円ほどの、このアイス。
俺は意地でもこのアイスを推さなければならないのだ。俺の中で普段はほぼニートなプライドがそう言ってる。
「アタリの確率は100分の1らしいですけど……?」
「だからこそ、夢があるんじゃないか……‼︎お前等はこの世界に毒されてしまったのか?忘れたのか?希望を。鳥には飛ぶ為に翼があるのなら何故俺達人間にはアタリつきアイスという商品がある?それは夢を見るため……そうだろ?」
俺がそう言えば、2人は何かに気づかされたような表情をした。
ただその気づかされた表情は、鳴海と透で違っている気がしたのは何故だろう。
「何故、今まで僕は気づかなかったのでしょうか……」
目を見開き、唇を微かに震えさせながら透が言う。
「そうか。分かってくれたならそれで良いんだよ、透……」
透は微笑みながらアイスをケースに戻そうとした。そうか。氷菓子の方に代えてくれるのか。
そう思っていたのだが、アイスがプラスチックの仕切りに触れれば、ぐにゃりとパッケージごと歪んだ。
「あー……透のもね」
目に光の灯っていない鳴海。
アイスが、ぐにゃり。
これだけで今俺達の手元にあるアイスに何が起こっているのか、変換するのは容易だ。
「……会計、行こっか」
「……はい」
「そうね……」
俺達3人はレジへと向かう。
ほとんど溶けたと言っても良いアイスが、この夏と、先ほどの争いの暑さを示していた。
この冷たさとは違う冷気が、俺達3人の間に充満していた。
「アンタ等2人小豆の凄さ知らない訳?健康にも良くて疲労回復、肩こり、腫れもの、筋肉痛……それでもって美味しいとか最強でしょ」
冷酷な視線で俺と透を見据える鳴海。
鳴海が手に持つ小豆アイスは、赤紫が貴重となった和風なパッケージが写真とともにレタリングされている。
棒アイス派。このアイスの好みの第一関門はクリアしたんだ。
ただ、アイスの味が問題だった。
「チョコバニラに決まってるじゃないですか……あの艶やかなチョコでコーティングされた少し溶けたバニラアイスがなんとも言えないんです。その素晴らしさが分からないとは……」
そう言って静かに溜息をつく透。
普段よりも目つきを悪くした冷めた表情は、一部特定の変わった性癖を持つ透ファンにとっては堪らないのかもしれない。
ただ、俺はそう思わない。
なぜなら俺は…………
「氷菓子差し置いて他の棒アイスが目立とうとしてんじゃねぇよ‼︎美味いし安いしアタリつきだよ⁉︎こんな童心をくすぐられるアイスが有ろうか他に!!!!」
定価80円ほどの、このアイス。
俺は意地でもこのアイスを推さなければならないのだ。俺の中で普段はほぼニートなプライドがそう言ってる。
「アタリの確率は100分の1らしいですけど……?」
「だからこそ、夢があるんじゃないか……‼︎お前等はこの世界に毒されてしまったのか?忘れたのか?希望を。鳥には飛ぶ為に翼があるのなら何故俺達人間にはアタリつきアイスという商品がある?それは夢を見るため……そうだろ?」
俺がそう言えば、2人は何かに気づかされたような表情をした。
ただその気づかされた表情は、鳴海と透で違っている気がしたのは何故だろう。
「何故、今まで僕は気づかなかったのでしょうか……」
目を見開き、唇を微かに震えさせながら透が言う。
「そうか。分かってくれたならそれで良いんだよ、透……」
透は微笑みながらアイスをケースに戻そうとした。そうか。氷菓子の方に代えてくれるのか。
そう思っていたのだが、アイスがプラスチックの仕切りに触れれば、ぐにゃりとパッケージごと歪んだ。
「あー……透のもね」
目に光の灯っていない鳴海。
アイスが、ぐにゃり。
これだけで今俺達の手元にあるアイスに何が起こっているのか、変換するのは容易だ。
「……会計、行こっか」
「……はい」
「そうね……」
俺達3人はレジへと向かう。
ほとんど溶けたと言っても良いアイスが、この夏と、先ほどの争いの暑さを示していた。
