夏休み補習。それは期末テストにてたとえ1教科でも赤点を取れば、夏休みに学校へ登校し、地獄の勉強会を行うことである。
1教科赤点ごとに1日づつ。これは社会のみ赤点であった俺にとってお釈迦様が垂らした蜘蛛の糸のように救いであると感じられた。
「いよーし、出席取るぞ〜」
教室に貫禄ある声が響く。ここで自分の名前が呼ばれなければ「あ、俺間違って来ちゃったみたいですてへぺろ☆」とか言って補習を逃れるというラッキーボーイ的なのが起こることを願う。
隣の席に座っている委員長は出席を取る最中に念仏を唱えだした俺を見て混乱している。
すまない、委員長。でも俺帰りたい。
「赤石龍〜」
「はい!今日も絶好調!赤石龍でございます‼︎」
元気だな赤石……影で俺達クラスの3バカと呼ばれてるんだぜ……知ってたか?
もう一人は担任という驚愕の事実なんだけどね。
「……木村夏帆」
「……はい」
木村さんと先生に冷めた目線で何もツッコミを入れられずとも元気なお前を俺は尊敬するよ、赤石。
「鈴波璃子(すずなみ りこ)」
「はい」
俺の隣の席で、透き通った声が聞こえた。
「……委員長の本名って鈴波なの?」
「なんで逆に委員長が本名だと今まで思ってたの⁉︎」
全然知らなかった。いや、だって。皆委員長って呼ぶんだもん。担任もだし。
委員長という名前と言われても違和感ないくらい委員長なんだから仕方がないような気もする。
「辻見海斗」
「……辻見さんって誰ですかねー俺知らないなーあはは」
意地でもこの出席という難関を突破し家へと速攻に帰りたいのだ。
「……いよし、辻見は2学期から毎日放課後補習ということでいいなー?」
「はい!辻見海斗君居ます!!!!期末テストでの間違いを正し、次への向上を図る為に今日の補習にやって来ました!辻見海斗です!!!!」
「……にしても、鈴波はどんまいだったなー。英語の解答欄ズレてなければ、学年20位以内は余裕だったんだけどな」
「まぁ、運も実力のうちですので」
「鈴波は真面目だなぁ」
がはは、とガサツな笑い声を上げる先生。
影でゴリラと皆が呼ぶ生徒指導担当の先生だが、思ったよりも怖くはなさそうだ。
ていうか前は名前覚えてたんだけどなぁ……ゴリラというあだ名の定着具合が凄すぎて記憶がおぼろだ。
でも「先生」と呼びかければ反応する。これは日本人の誇るべき技術だと思うのだ。名前ど忘れしても会話を上手く続けられるという。
委員長は英語だが、俺は社会。プリントのどのページを捲っても捲っても社会。地獄だこれは。社会地獄。
大宝律令ってなんだよ。律令が宝とか言いやがったら俺はソイツをぶん殴りたい。
俺は解答を覚えても、意味が理解できていなければ「違うっ、そうじゃないだろ!」と違う解答を書いてしまうのだ。
社会の意味の分からなさは特別だ。土偶とはにわってもう一緒でいいでしょ……意味違うけど。
なんで冷帯と亜寒帯は同じくせに2つあるのさ……どっちかに絞りたまえ……
覚えているのに疑問が多すぎて進まないし迷走し違う答えを書く。悪循環だった。
1教科赤点ごとに1日づつ。これは社会のみ赤点であった俺にとってお釈迦様が垂らした蜘蛛の糸のように救いであると感じられた。
「いよーし、出席取るぞ〜」
教室に貫禄ある声が響く。ここで自分の名前が呼ばれなければ「あ、俺間違って来ちゃったみたいですてへぺろ☆」とか言って補習を逃れるというラッキーボーイ的なのが起こることを願う。
隣の席に座っている委員長は出席を取る最中に念仏を唱えだした俺を見て混乱している。
すまない、委員長。でも俺帰りたい。
「赤石龍〜」
「はい!今日も絶好調!赤石龍でございます‼︎」
元気だな赤石……影で俺達クラスの3バカと呼ばれてるんだぜ……知ってたか?
もう一人は担任という驚愕の事実なんだけどね。
「……木村夏帆」
「……はい」
木村さんと先生に冷めた目線で何もツッコミを入れられずとも元気なお前を俺は尊敬するよ、赤石。
「鈴波璃子(すずなみ りこ)」
「はい」
俺の隣の席で、透き通った声が聞こえた。
「……委員長の本名って鈴波なの?」
「なんで逆に委員長が本名だと今まで思ってたの⁉︎」
全然知らなかった。いや、だって。皆委員長って呼ぶんだもん。担任もだし。
委員長という名前と言われても違和感ないくらい委員長なんだから仕方がないような気もする。
「辻見海斗」
「……辻見さんって誰ですかねー俺知らないなーあはは」
意地でもこの出席という難関を突破し家へと速攻に帰りたいのだ。
「……いよし、辻見は2学期から毎日放課後補習ということでいいなー?」
「はい!辻見海斗君居ます!!!!期末テストでの間違いを正し、次への向上を図る為に今日の補習にやって来ました!辻見海斗です!!!!」
「……にしても、鈴波はどんまいだったなー。英語の解答欄ズレてなければ、学年20位以内は余裕だったんだけどな」
「まぁ、運も実力のうちですので」
「鈴波は真面目だなぁ」
がはは、とガサツな笑い声を上げる先生。
影でゴリラと皆が呼ぶ生徒指導担当の先生だが、思ったよりも怖くはなさそうだ。
ていうか前は名前覚えてたんだけどなぁ……ゴリラというあだ名の定着具合が凄すぎて記憶がおぼろだ。
でも「先生」と呼びかければ反応する。これは日本人の誇るべき技術だと思うのだ。名前ど忘れしても会話を上手く続けられるという。
委員長は英語だが、俺は社会。プリントのどのページを捲っても捲っても社会。地獄だこれは。社会地獄。
大宝律令ってなんだよ。律令が宝とか言いやがったら俺はソイツをぶん殴りたい。
俺は解答を覚えても、意味が理解できていなければ「違うっ、そうじゃないだろ!」と違う解答を書いてしまうのだ。
社会の意味の分からなさは特別だ。土偶とはにわってもう一緒でいいでしょ……意味違うけど。
なんで冷帯と亜寒帯は同じくせに2つあるのさ……どっちかに絞りたまえ……
覚えているのに疑問が多すぎて進まないし迷走し違う答えを書く。悪循環だった。
