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新・鈴恋!


「あー、明日帰りとか。実感が湧かないというか、あっという間だったわね〜」
「そうだよ君達。青春は一瞬なんだからねぇ。少しでも逃したら……ね?」
今回の合宿に思い耽る鳴海と、光の灯っていない目でさらっと青春の術を述べた恋春先生。
「……ここは察して黙っておいた方が良いのでしょうか?」
「えっ、それ俺に聞いちゃう?小学生の頃におまわりに「道教えてやるよ!」と堂々と言い放って空気が読めないどころか単に馬鹿だった俺に聞いちゃう?」
「だった、とは……?」
「……現在進行形であると修正するよ」
というか、最近恋春先生の学生時代が気になって仕方がない。
あんなに整った容姿なのだから、さぞかし華やかな生活を送ったのだろうと思っていた。
だが、最近の彼女の言動により、もしかしたらそうでないかもしれない説が俺の中で浮上しているのだ。
「突撃!隣の青春時代!」
「いつぞやのテレビ番組ですか……」
きっとアルバムに番組名が書いてあるはずだ。



2日間なんて、鳴海の言ったとおりにあっという間であった。
昼間はなんだかんだでボランティア活動をしたりと、1日目は体力もそれなりに使った。
地域のおじさんとゴミをどちらが多く取れるかの戦争だった。
負けたけども。やはりベテランは違った。
疲れもあって、すぐに眠りについた。
だが、珍しく夜中に起きてしまった。

こんな雰囲気がそうさせたのか、それとも。
イベントに参加させるための、神様の適当な割りふりなのか。
それは、分からなかった。



「……あ、海斗も起きたんですか?」
「なんでだろうなぁ。すっかり目が覚めちまってるよ、もう既に」
コテージ2階の、ベランダ部分。
何故か目が覚めた俺は、また寝れるような気もしなかった。
外の空気を吸おうと思い、ベランダに出れば、そこには透という先客がいた。
性格や、そこにいる見栄えは違えども、考えることは、人間、あまり変わらないようだ。
「合宿が終わる、というのも、心内環境に影響しているんですかね」
「んー、よく分かんねぇけど。そうなんじゃね?」
夜中とはいっても、2人共寝起き状態だ。
いつものようなハイテンションもすぐには回らないし、適当で、ありふれた返答ばかりとなってしまう。
「…………海斗に、相談というか。相談って感じでもないんですけど」
透が俺に相談というのが、なんだか新鮮だった。
「前に……海斗が教科書を忘れた時ですね。僕が、職員室にいて。偶々海斗と職員室で会った日のことです」
「ああ、あったなぁ、そんなこと」
実際には明確に覚えてはいないのだが、うすらぼんやりとした記憶がないこともない。
「その時は、何を話していたのか。はぐらかしてしまいましたけど。いつか言わなきゃいけないことなので。この場の、少し特別な雰囲気の中で、言わせてもらいますね」
すぅ、と透が静かに深呼吸をしたのが感じられた。
少なくとも、別にどうでも良いような、話ではないな、と思った。
俺なりの偏見だけど、俺にはそう感じた。
「あの日、僕は恋春先生に職員室に呼ばれて。担任の先生の所に連れて行かれれば、何故か先生は涙目でした」
本当、何かしたんじゃないかって、焦りましたよ。
そう言って透は力のない笑みを浮かべる。
「それで、その時の話の要件ですが…………」
躊躇うように、ぎゅっと下唇を噛む透。
このことを俺に打ち明けるということは、まだ何を伝えようとしているのかは分からないが、相当の勇気が必要なのだろう。
いい加減に覚悟を決めた、という様子で、透は口を開いた。


















「海外留学の、誘いが来たんです」





合宿編は終了ですー。低クオリティなパロディがありましたが目を瞑っていただければ…あのネタはどれだけの人が分かるのだろう。
次回は久々に恋鈴ちゃん出ます!
<2016/09/24 11:53 錯乱咲良>消しゴム
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