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新・鈴恋!
- おかえり -

「た〜は、ただいまのた〜♪っと」
「あ、海斗おかえり〜」
「恋鈴ちゃんどした⁉︎」
「えっ、私なんかおかしいかな?」
重々しいドアを開け、居間に入れば、2泊3日の合宿からいつも学校から帰って来た時のように、可愛らしい笑顔で駆け寄る恋鈴ちゃんはいなかった。
いや、正確には恋鈴ちゃんはいるのだけれども。
なのに、何故だろう。
恋鈴ちゃんは、サングラスを掛け、無駄にトロピカルな雰囲気が醸し出されるジュースを、座椅子に座って飲んでいる。
「なんでそんなハワイアンなの……?」
「ええっ、だって海斗も合宿行っちゃったし、私だってハワイアン満喫したかったの!」
ぷくーっと、頬を風船のように膨らませる恋鈴ちゃん。
「俺ハワイ行ってないよ⁉︎」
「で、でも!夏は満喫したでしょ?夏イコールハワイアン!私だって夏を楽しむ権利はある!」
サングラスを外しながらに、ドヤ顔で言われてしまった。
「まぁ、その夏のイメージはわからなくもないけど……なんで座椅子?」
「形がこう……ハワイアン」
「言いたいことは分かる。あの木の椅子を再現しようと思ったのね……」
とりあえずハワイアンと言っておけば何かしらが伝わってしまう今の状況が怖い。


「それでそれで、合宿どうだった⁉︎」
喰いつき気味に恋鈴ちゃんが目を輝かせる。
「んーと……楽しかった!」
「そうだったんだぁ!良いなぁ〜、私も行きたかったなぁ〜」
小学生による手抜き日記のような感想でも、恋鈴ちゃんはしっかりと返答をくれた。
実際に、こんなことがあった。俺の中学の頃の提出物であった日記に、遠足なんてあった場合にはこうだ。
『今日は楽しかった。とても楽しかった。これでもかというくらいに楽しくて、明日世界が滅ばないかが心配です。』と書いてあった。
先生からのコメントは、『楽しかったね。大丈夫、先生がこのコメントを書けているということは世界は滅んでないから』だった。
その返答を見て、「やったぁぁ!」と叫び、喜んでいたのは言うまでもないことだ。
こんな所を思いだせば、やはり俺は精神面が成長していないと改めて実感させられる。
……実感したくはないが。


「海斗っ!改めて、おかえりなさい!」
「ただいま、恋鈴ちゃん」
うん。これでこそ恋鈴ちゃんだ。
ハワイアンで居るとは思っていなかった。
先ほどタンスを開けたらハイビスカスの花飾りが掛けられていたが、あえてそこはスルーした。
「……恋鈴ちゃん、ハワイ行きたかったの?」
「行きたいよ!アロハシャツ着たい!」
「そこなの⁉︎」
反射的に突っ込めば、「そこだよー!」と全身で講義を、恋鈴ちゃんは始め出した。
……フラダンス上手くないかい恋鈴ちゃん。
どこで身につけたのそのフラダンスは。

閲覧500突破ありがとうございます‼︎
前作よりもあっという間で嬉しい限りです!
今後とも鈴恋シリーズをよろしくお願いします!

次回は恋愛もコメディ要素も少ない回です。作者が大好きな思考黙々回。
つまり面白味は薄いと思われますが、海斗の心境を一気に整理するつもりです。
<2016/10/07 00:48 錯乱咲良>消しゴム
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