合宿から帰宅した日の夜は、疲れにより速攻で寝ると思っていた。
しかし、まだ心は浮き足だっているようなので、中々眠れなそうになかった。
恋鈴ちゃんはいつも通り、押入れでもう眠りについているだろうし、することもない。
「…………留学、かぁ」
ふいに溢れたのは、昨日の今頃の時間に透から打ち明けられた、海外留学の件についてだった。
ふぅ、と一息つき、瞼を閉じる。
昨日話された会話の内容が、脳内を巡る。
「留学ッ⁉︎え、しかも海外?」
「……急に、驚かせてしまってすいません。はい、海外留学……まだ、誘いが来ただけですがね」
「……海外って、どこの国?まさか日本?」
「日本なら国内留学ですよ……イギリスです」
「……エッフェル塔の?」
「それはフランスですね」
ボケてる訳ではないのだが、先ほどから間違った解答が集中している。
それでも、その間違いに即座に気づき訂正する透は、流石といった感じだった。
「……鳴海にも、まだ言ってないんですよ」
「幼馴染なのに?」
そりゃあ、俺と透は学校でも行動を共にすることだって多い。というかほとんどだ。
しかし、鳴海と俺では今までの思い出等の蓄積物の差が明らかに違うだろう。
「幼馴染だからですよ」
「でも、いつかは言わなきゃいけねぇんだろ?」
俺の言葉に、透は俯く。
成績なんて、透の方が良いなんてわかっている。
むしろ、分からなかったらそれこそ馬鹿どころでは済まない。
だけど、俺だって正論くらいは言えるのだ。
「……幼馴染だから、分からないんです。ずっと一緒にいたから、離れることが想像出来ないんです」
鳴海と透は、小学校入学時の頃にはもう知り合いだったはずだ。
つまりこれは、約10年もの月日を2人が共にしていることを意味する。
「まだ、信じられないし。決まってもいないし。僕だって、留学の件だって曖昧なんです。言うならば、僕がちゃんと、留学について向き合ってからでないと……」
「まぁ、透がそうしたいなら、そっちの方が良いんだろうけど。……で?行きたいのか行きたくないのかが聞きたい」
「……どうなんでしょうね。確かに、将来の事も踏まえて、留学の話を聞いた時はとても嬉しかったです。でも、同時に不安でもありました」
「……透の好きなようにやれよ。俺は応援してる。俺があれこれ助言したって、足引っ張るだけだろうし」
「海斗…………ありがとうございます」
「律儀だなぁ、透は!」
頭を下げる透の髪をわしゃわしゃする。
「ちょっ、海斗!髪がボサボサになります!」
「良いじゃん良いじゃん!貞子に似合う男になるぞ〜?」
「遠慮なくお願いします!!!!」
「んー、鳴海にどう言うつもりなんだろ、透」
あのツンデレ大魔神鳴海のことだ。
例えば、「がっ、頑張りなさいよ!イギリスの国旗破って逮捕されても知らないからね!」とか根拠もない阿保なことを言い出すかもしれない。
もしくは号泣しながら、馬鹿を連呼するか。
鳴海の反応どうであれ、透への負担はとてつもなさそうだった。
しかし、まだ心は浮き足だっているようなので、中々眠れなそうになかった。
恋鈴ちゃんはいつも通り、押入れでもう眠りについているだろうし、することもない。
「…………留学、かぁ」
ふいに溢れたのは、昨日の今頃の時間に透から打ち明けられた、海外留学の件についてだった。
ふぅ、と一息つき、瞼を閉じる。
昨日話された会話の内容が、脳内を巡る。
「留学ッ⁉︎え、しかも海外?」
「……急に、驚かせてしまってすいません。はい、海外留学……まだ、誘いが来ただけですがね」
「……海外って、どこの国?まさか日本?」
「日本なら国内留学ですよ……イギリスです」
「……エッフェル塔の?」
「それはフランスですね」
ボケてる訳ではないのだが、先ほどから間違った解答が集中している。
それでも、その間違いに即座に気づき訂正する透は、流石といった感じだった。
「……鳴海にも、まだ言ってないんですよ」
「幼馴染なのに?」
そりゃあ、俺と透は学校でも行動を共にすることだって多い。というかほとんどだ。
しかし、鳴海と俺では今までの思い出等の蓄積物の差が明らかに違うだろう。
「幼馴染だからですよ」
「でも、いつかは言わなきゃいけねぇんだろ?」
俺の言葉に、透は俯く。
成績なんて、透の方が良いなんてわかっている。
むしろ、分からなかったらそれこそ馬鹿どころでは済まない。
だけど、俺だって正論くらいは言えるのだ。
「……幼馴染だから、分からないんです。ずっと一緒にいたから、離れることが想像出来ないんです」
鳴海と透は、小学校入学時の頃にはもう知り合いだったはずだ。
つまりこれは、約10年もの月日を2人が共にしていることを意味する。
「まだ、信じられないし。決まってもいないし。僕だって、留学の件だって曖昧なんです。言うならば、僕がちゃんと、留学について向き合ってからでないと……」
「まぁ、透がそうしたいなら、そっちの方が良いんだろうけど。……で?行きたいのか行きたくないのかが聞きたい」
「……どうなんでしょうね。確かに、将来の事も踏まえて、留学の話を聞いた時はとても嬉しかったです。でも、同時に不安でもありました」
「……透の好きなようにやれよ。俺は応援してる。俺があれこれ助言したって、足引っ張るだけだろうし」
「海斗…………ありがとうございます」
「律儀だなぁ、透は!」
頭を下げる透の髪をわしゃわしゃする。
「ちょっ、海斗!髪がボサボサになります!」
「良いじゃん良いじゃん!貞子に似合う男になるぞ〜?」
「遠慮なくお願いします!!!!」
「んー、鳴海にどう言うつもりなんだろ、透」
あのツンデレ大魔神鳴海のことだ。
例えば、「がっ、頑張りなさいよ!イギリスの国旗破って逮捕されても知らないからね!」とか根拠もない阿保なことを言い出すかもしれない。
もしくは号泣しながら、馬鹿を連呼するか。
鳴海の反応どうであれ、透への負担はとてつもなさそうだった。
