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新・鈴恋!


鼻歌混じりで課題をしていれば、不思議そうな顔をして恋鈴ちゃんが尋ねてきた。
「ど、どうしたの海斗⁉︎いつもは重症患者みたいになりながら課題をしてるのに!……まさか」
「そう、そのまさかだぜ恋鈴ちゃん!」
課題をする時が死にそうな顔なのはいつもの事だが、最近の俺はテンションがいつもより低かった。
それは、勿論透と鳴海の件が原因であって。
恋鈴ちゃんにも、心配をかけさせていたのかもしれない。
「逆に病気になっているの⁉︎」
「違うっ‼︎意識を共有し合えたと思ってたら違ったよ⁉︎」
どれだけ俺が課題を楽しそうにしているのが珍しいのやら。
「まぁ、当ててって言ってたら夜中になるからしないけど……実は!」
俺の言葉が気に障ったようで、恋鈴ちゃんは少しふて腐れたようにして俺の言葉に耳を傾けた。
「鳴海と透が仲直りいたしました!はい、拍手っ」
「本当⁉︎よ、良かった〜。拍手っ!」
他人のことなのに、自分のことのように喜んで手を叩く恋鈴ちゃん。
つい先ほどまでは不機嫌だったというのに、コロコロと感情が移り変わりしている。
そんな多感情を持つ彼女とハイタッチしたり社交ダンスばりにくるくる回っていれば、俺の端末が着信を知らせた。
「おっと電話だ……恋鈴ちゃん凄い速度で周りを回らないで⁉︎スマホ取れないから!」
たまに恋鈴ちゃんの身体能力が怖く感じることがある。
いや、座敷童子だから人間の基準で考えてはいけないのか……?
「あっ、ごめんね海斗……!はい、携帯!」
「おお、さんきゅ。……俊さん」
「いきなりテンション下がるのは失礼だよ海斗……?それに、今日の電話は、悪い内容ではないんだし」
「それもそうだな……はいっ、もしもし俊さん!透君の大親友、イカしたマジカルボーイ、辻見海斗君でっす!」
真横で聞いていた恋鈴ちゃんは、「マジカルボーイ……?」と言いたげな顔をしている。
突っ込まないでくれ。無意識に出た言葉なんだ。
一瞬にして黒歴史を生み出してしまったように感じ、現実逃避として電話に集中する。
「もしもーし。昨日とは比べものにならないくらいのトーンの変わりようだね、海斗君」
「そういう俊さんも、大分重荷が降りたって感じですよ?」
「まぁ、気がかりだったことがなくなったからね。透もすっかり元気になって貞子の特番見てるよ」
電話の音声は恋鈴ちゃんも聞こえるようにスピーカーにしている。
透の現在の状況を聞いた途端、2人で昭和のお笑いショーのようにガクン、と転けるような仕草をした。
「最後の言葉さえなければ完璧だったんすけどね……まぁ、透らしいっちゃらしいですけど」
「可愛いでしょ?俺の弟」
自慢げに話す俊さん。だが、
「……それ可愛いって返したらどうなります?」
「とりあえず二度と透と会わせないかな」
「ですよねー」
その弟愛が重度であることにも、最初は驚いてばかりだったが最近では慣れてきていた。
「……にしても、なんか意外でした。もっと俊さんテンション上がってるかと」
「あー……でもなんだろ。嬉しいというより、安心したって表現の方が、今は合ってるからかな」
「……なんかすみませんでした」
「えっ、どうしたの海斗君?」
電話を取る時に、興奮冷めやらぬ俊さんをこれから抑えるのか。と、多少なり思ってしまったから。
「まぁ良いけどさ……何だか気持ち悪いね。あ、でも、また透になにかあったら聞くからね⁉︎」
「そればかりは本当に勘弁してください!鳴海関係でないなら鳴海にしてください!」
鳴海との件なら、しょうがないから引き受けるけれども。
俊さんの電話三昧が続くだなんて、それこそ生き地獄だと、また失礼なことを考えてしまった。


恋鈴ちゃん久々。
俊兄と海斗は書いていて中々楽しい2人組です。
<2017/01/10 18:47 錯乱咲良>消しゴム
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