ー俊視点ー
「……透、大丈夫?具合でも悪いなら救急車を」
「大丈夫です!兄さんは心配しなくても!」
ハッとしたようにサラダを口に放り込む透。
彼の想像以上に口に含んだ量は多かったようで、膨れた頬が言葉に表せないほどに愛しい。
「……なら、良いんだけどねぇ」
どうも、今日の透は気が抜けているようにしか見えない。無気力とは違うよりかは、夢心地というのに近いか。
「……こりゃ、後で聞いてみるかね」
「……何をですか?」
「んにゃ、何でもないよ」
この前の出来事ほどではないが、やはり弟の雰囲気がいつもと違えば調子が狂う。
「……はぁ?透の様子がおかしい?そんなの、いつもの事じゃない。何言ってんのよ俊兄」
気だるげに答える鳴海。
前回、海斗君に詰め寄りすぎたので、今回は鳴海から聞いてみようと思ったのだ。
「色々と聞き捨てならないことを言ってるけど……まぁ、今日は見逃しとく。いやでも、いつもと何かが違うのは変わりないよ。……なにか知らない?」
オレの問いかけに、鳴海は深い溜息を吐いた。
幼馴染ではあるが、一応歳上のオレにここまで気を抜いて電話をするものかと、謎の感心を覚える。
「……前の事であたしを疑いたくなるのも分かるけど、本当に何も知らないわよ。明日学校での様子は見とくから、そこは任せて」
「……頼りになるねぇ。じゃ、明日よろしく」
ん、と彼女が短く返事をしてから通話が終了された。
面倒だったのか、鳴海が話がひと段落着いた途端に電話を切ったようだ。
「……結局、彼に聞くしかないのか」
鳴海で事が済めば良かったのだが、どうもそう簡単には行かないようだ。
心の中で、「迷惑おかけします」と敬意だけは示し、慣れた手つきで通話ボタンを押した。
「……おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないのd」
「ばーっちり人間の声だよ〜?プラス、相当怠そうな時の。ごめんね海斗君〜鳴海にも聞いたけどアテになんなくてさ!」
すると海斗君は、急にテンションが上がったようで、期待するような声で話し出した。
「つまり、俺だけが頼り的な!?俺は期待の新生ビッグウェーブ!?」
「まぁ、そういう事かな」
「っしゃあ、バンバン尋ねて下さい俊さん!」
調子良いなぁこの子。
面白くて先ほどから笑いを堪えながら話すのが大変だ。しかし、バレると追求してきそうなので頑張るしかない。
「透の様子が変なんだよね〜……何か知ってる?」
声のトーンを落とし、圧迫感を出す。
海斗君には申し訳ない気持ちが多少なりとも存在するが、これも確実に聞き出す為の一つの策だ。
「……あー、それ半分俺が原因っすね」
「海斗君の家今から向かっても大丈夫かなぁ?」
「ダメです!!来たら俺のこと殺すでしょそれ!!」
「物騒な事言わないでよ〜、ただの事情聴取♪」
「拷問とかされそうな勢いですけど……とりあえず、理由を話しても?」
海斗君は意外にも疑り深いようだ。
そんな彼の対応を不思議に思いながらも、会話を続ける。
「話さないと危ないのは自分。君はもう分かってるじゃないか」
「今日の昼休みあった事なんですけど!」
声を張り上げて話す海斗君。
現在は夜なのだが、彼のご近所に迷惑ではないのだろうか。
「ざっくりと言うと、俺が『鳴海は透の事が好き』っていう事実を伝えた。こんだけっす」
「……ふぅん、なるほど。今度はそう来たか」
逆に透が今まで気づいていなかったという鈍感さに感動する。
「……海斗君的には、これから何かするつもりなの?2人の恋愛事情については」
「そりゃ、応援はしていきたいとは思ってますけど……下手に足引っ張るのも嫌なんで行動は控えて行こうかなと」
「うん、良い判断だね。……オレも、この事に関しては特に触れない方向で行くよ」
電話の向こうから、安堵したような息が溢れた。
その反応を密かに楽しんでいるのは内緒だ。
「でも、留学までにどうにかしねぇと。もう時間だってあまりない訳だし」
「そこが問題だよね〜。透は、2月辺りにはもう向こうに行っちゃう訳だし。」
約3~4ヵ月で、どこまで出来るのか。
そこら辺は、兄としても幼馴染としても、かなりの見物ではないだろうか。
「……透、大丈夫?具合でも悪いなら救急車を」
「大丈夫です!兄さんは心配しなくても!」
ハッとしたようにサラダを口に放り込む透。
彼の想像以上に口に含んだ量は多かったようで、膨れた頬が言葉に表せないほどに愛しい。
「……なら、良いんだけどねぇ」
どうも、今日の透は気が抜けているようにしか見えない。無気力とは違うよりかは、夢心地というのに近いか。
「……こりゃ、後で聞いてみるかね」
「……何をですか?」
「んにゃ、何でもないよ」
この前の出来事ほどではないが、やはり弟の雰囲気がいつもと違えば調子が狂う。
「……はぁ?透の様子がおかしい?そんなの、いつもの事じゃない。何言ってんのよ俊兄」
気だるげに答える鳴海。
前回、海斗君に詰め寄りすぎたので、今回は鳴海から聞いてみようと思ったのだ。
「色々と聞き捨てならないことを言ってるけど……まぁ、今日は見逃しとく。いやでも、いつもと何かが違うのは変わりないよ。……なにか知らない?」
オレの問いかけに、鳴海は深い溜息を吐いた。
幼馴染ではあるが、一応歳上のオレにここまで気を抜いて電話をするものかと、謎の感心を覚える。
「……前の事であたしを疑いたくなるのも分かるけど、本当に何も知らないわよ。明日学校での様子は見とくから、そこは任せて」
「……頼りになるねぇ。じゃ、明日よろしく」
ん、と彼女が短く返事をしてから通話が終了された。
面倒だったのか、鳴海が話がひと段落着いた途端に電話を切ったようだ。
「……結局、彼に聞くしかないのか」
鳴海で事が済めば良かったのだが、どうもそう簡単には行かないようだ。
心の中で、「迷惑おかけします」と敬意だけは示し、慣れた手つきで通話ボタンを押した。
「……おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないのd」
「ばーっちり人間の声だよ〜?プラス、相当怠そうな時の。ごめんね海斗君〜鳴海にも聞いたけどアテになんなくてさ!」
すると海斗君は、急にテンションが上がったようで、期待するような声で話し出した。
「つまり、俺だけが頼り的な!?俺は期待の新生ビッグウェーブ!?」
「まぁ、そういう事かな」
「っしゃあ、バンバン尋ねて下さい俊さん!」
調子良いなぁこの子。
面白くて先ほどから笑いを堪えながら話すのが大変だ。しかし、バレると追求してきそうなので頑張るしかない。
「透の様子が変なんだよね〜……何か知ってる?」
声のトーンを落とし、圧迫感を出す。
海斗君には申し訳ない気持ちが多少なりとも存在するが、これも確実に聞き出す為の一つの策だ。
「……あー、それ半分俺が原因っすね」
「海斗君の家今から向かっても大丈夫かなぁ?」
「ダメです!!来たら俺のこと殺すでしょそれ!!」
「物騒な事言わないでよ〜、ただの事情聴取♪」
「拷問とかされそうな勢いですけど……とりあえず、理由を話しても?」
海斗君は意外にも疑り深いようだ。
そんな彼の対応を不思議に思いながらも、会話を続ける。
「話さないと危ないのは自分。君はもう分かってるじゃないか」
「今日の昼休みあった事なんですけど!」
声を張り上げて話す海斗君。
現在は夜なのだが、彼のご近所に迷惑ではないのだろうか。
「ざっくりと言うと、俺が『鳴海は透の事が好き』っていう事実を伝えた。こんだけっす」
「……ふぅん、なるほど。今度はそう来たか」
逆に透が今まで気づいていなかったという鈍感さに感動する。
「……海斗君的には、これから何かするつもりなの?2人の恋愛事情については」
「そりゃ、応援はしていきたいとは思ってますけど……下手に足引っ張るのも嫌なんで行動は控えて行こうかなと」
「うん、良い判断だね。……オレも、この事に関しては特に触れない方向で行くよ」
電話の向こうから、安堵したような息が溢れた。
その反応を密かに楽しんでいるのは内緒だ。
「でも、留学までにどうにかしねぇと。もう時間だってあまりない訳だし」
「そこが問題だよね〜。透は、2月辺りにはもう向こうに行っちゃう訳だし。」
約3~4ヵ月で、どこまで出来るのか。
そこら辺は、兄としても幼馴染としても、かなりの見物ではないだろうか。
