-??視点-
「愛川ちゃん、竹倉にフられたみてぇだぞ」
「……は?」
友人である、赤石龍から告げられたのは、思いもしない一言だった。学年のマドンナ、クラスのアイドル。その称号に相応しい彼女が、どうして。
どうして、あんな奴のことを。
もっとも、コイツには自分の、愛川に対する好意を伝えてはいなかった。だからこそ、のこのこと情報を持ってきたとも言えるが。
「って、お前怖いんだけど。何睨んでんだよ……あ、もしかして愛川ちゃんのこと好きだったりした!?隅に置けませんねぇ〜」
ニヤニヤと、無駄に鋭い勘をフル活用して、こちらに近づく赤石。
「……そんなんじゃねぇよ」
嘘だ。自分は彼女のことが好きだった。
分からない問題があっても、すぐに人に頼らずにめいっぱい考える。そして、どうしても分からない場合は申し訳なさそうに質問してくるのに、人柄の良さを感じたのがきっかけだった。
「え〜、つまんねぇの。学年2位とクラスの美少女とか、なかなかな展開だったのにな〜。……あ、ごめん。地雷踏んだ?」
「まぁな」
「あちゃー、めんごめんご」
あまり反省をしているようには決して見えないが、この緩やかな関係性こそが、自分達が上手くやれている条件とも言える。
「にしても、竹倉ってやっぱすげぇよなぁ……天竜人って、あんな感じなんかなあ。どう思われますかね、横野さん」
「……別に、興味なんてねぇし」
自分という人間ーー横野哲哉は心の底から竹倉透が憎たらしかった。
-海斗視点-
「なぁなぁどうする!?透の為に長編映画とか作っちゃう!?」
「……海斗君、一旦落ち着いて……」
さっきから興奮している俺をもか先輩が「どうどう」と優しく抑えてくれている。
扱いが人間らしくないのは、この際気にしないことにしておこう。優しい対応のはずだ、これは。
「そうですわよ、辻見君!!今回のこの企画は、クリスマス会も兼ねているのですから、そこも微調整していかなくては……というか、竹倉君に何をするかはバレてはならぬのですわ!!」
「姫乃ちゃん、ボリューム……!!」
「あら、私としたことが」
人差し指を自分口元に押し付ける可愛らしいもか先輩に言われ、指摘された通りに小声になる高城先輩。
まぁ、この場に透はいないのだから、無理に隠す必要もないのだが。
「でも、今日でちゃんと決めないとダメでしょ。そう何度も嘘も通じる訳ないんだし」
そう、鳴海の言う通りだった。
透に、今日は同好会は休みと嘘をついた。この世には、ついていい嘘もあると言うが、これもその1つであろう。
「んー、単純に、アルバムとかで良いんじゃないかなぁ」
「でも、言うほど写真撮ってなかったよな俺達……あー、撮り溜めときゃ良かったわ!!」
「今更どうこう言ったって、もう写真は撮れないんだし、グダグダ言ってないで他を考えるべきでしょ」
皆が頭を悩ませる中、ふと高城先輩が口を開いた。
「やはり……向こうにも持って行くことが出来る代物がよろしいのではないでしょうか?」
「んー、じゃあ色紙とか?ベタになるけど」
鳴海の意見に、もか先輩が同意の反応を示した。もちろん、それは俺と高城先輩も同じだ。
「案外、シンプルなのが嬉しいものだよね〜。変に頑張り過ぎて反応が微妙なのはこっちも虚しいし……」
今までに虚しくなったことがあるのだろうか、もか先輩には。それは深くは追求しないのが身のためだと本能が察したため自重するが。
「じゃ、色紙で決定!!あとは、個人個人で好きな物でもあげりゃ良いんじゃね?」
「そうね〜。まぁ、アイツの喜びそうな物なんて考えない方が良いわよ。禍々しくなるから」
「オカルト同好会らしくはなりますがね……ここは、使いやすい物をそれぞれ選ぶことに致しましょうか」
透が留学するまで、あと2ヶ月。
確かに、歯車は動き出していた。
「愛川ちゃん、竹倉にフられたみてぇだぞ」
「……は?」
友人である、赤石龍から告げられたのは、思いもしない一言だった。学年のマドンナ、クラスのアイドル。その称号に相応しい彼女が、どうして。
どうして、あんな奴のことを。
もっとも、コイツには自分の、愛川に対する好意を伝えてはいなかった。だからこそ、のこのこと情報を持ってきたとも言えるが。
「って、お前怖いんだけど。何睨んでんだよ……あ、もしかして愛川ちゃんのこと好きだったりした!?隅に置けませんねぇ〜」
ニヤニヤと、無駄に鋭い勘をフル活用して、こちらに近づく赤石。
「……そんなんじゃねぇよ」
嘘だ。自分は彼女のことが好きだった。
分からない問題があっても、すぐに人に頼らずにめいっぱい考える。そして、どうしても分からない場合は申し訳なさそうに質問してくるのに、人柄の良さを感じたのがきっかけだった。
「え〜、つまんねぇの。学年2位とクラスの美少女とか、なかなかな展開だったのにな〜。……あ、ごめん。地雷踏んだ?」
「まぁな」
「あちゃー、めんごめんご」
あまり反省をしているようには決して見えないが、この緩やかな関係性こそが、自分達が上手くやれている条件とも言える。
「にしても、竹倉ってやっぱすげぇよなぁ……天竜人って、あんな感じなんかなあ。どう思われますかね、横野さん」
「……別に、興味なんてねぇし」
自分という人間ーー横野哲哉は心の底から竹倉透が憎たらしかった。
-海斗視点-
「なぁなぁどうする!?透の為に長編映画とか作っちゃう!?」
「……海斗君、一旦落ち着いて……」
さっきから興奮している俺をもか先輩が「どうどう」と優しく抑えてくれている。
扱いが人間らしくないのは、この際気にしないことにしておこう。優しい対応のはずだ、これは。
「そうですわよ、辻見君!!今回のこの企画は、クリスマス会も兼ねているのですから、そこも微調整していかなくては……というか、竹倉君に何をするかはバレてはならぬのですわ!!」
「姫乃ちゃん、ボリューム……!!」
「あら、私としたことが」
人差し指を自分口元に押し付ける可愛らしいもか先輩に言われ、指摘された通りに小声になる高城先輩。
まぁ、この場に透はいないのだから、無理に隠す必要もないのだが。
「でも、今日でちゃんと決めないとダメでしょ。そう何度も嘘も通じる訳ないんだし」
そう、鳴海の言う通りだった。
透に、今日は同好会は休みと嘘をついた。この世には、ついていい嘘もあると言うが、これもその1つであろう。
「んー、単純に、アルバムとかで良いんじゃないかなぁ」
「でも、言うほど写真撮ってなかったよな俺達……あー、撮り溜めときゃ良かったわ!!」
「今更どうこう言ったって、もう写真は撮れないんだし、グダグダ言ってないで他を考えるべきでしょ」
皆が頭を悩ませる中、ふと高城先輩が口を開いた。
「やはり……向こうにも持って行くことが出来る代物がよろしいのではないでしょうか?」
「んー、じゃあ色紙とか?ベタになるけど」
鳴海の意見に、もか先輩が同意の反応を示した。もちろん、それは俺と高城先輩も同じだ。
「案外、シンプルなのが嬉しいものだよね〜。変に頑張り過ぎて反応が微妙なのはこっちも虚しいし……」
今までに虚しくなったことがあるのだろうか、もか先輩には。それは深くは追求しないのが身のためだと本能が察したため自重するが。
「じゃ、色紙で決定!!あとは、個人個人で好きな物でもあげりゃ良いんじゃね?」
「そうね〜。まぁ、アイツの喜びそうな物なんて考えない方が良いわよ。禍々しくなるから」
「オカルト同好会らしくはなりますがね……ここは、使いやすい物をそれぞれ選ぶことに致しましょうか」
透が留学するまで、あと2ヶ月。
確かに、歯車は動き出していた。
