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新・鈴恋!


−哲也視点−

「……チッ」
「わお。そんなナチュラルに舌打ちする奴初めて見た」
こわーい、と口では言いつつも、表情は笑ったままの赤石。絶対怖いだなんて思っていない。むしろ楽しんでいる。
「……なんで、アイツなんだよ。俺じゃなくて」
「なになに、やっぱり横野って、愛川ちゃんのこと好きだった訳?たしかに愛川ちゃんは可愛いよなぁ〜って、ゴメン。嫉妬しちゃう感じ?」
「別に、お前じゃ嫉妬する対象にもならねぇよ」
冷たくそうあしらう。が、それで赤石は諦める訳もなく、更に台詞を繋げていく。
「あ、愛川ちゃんが好きなことは否定しないんだ」
「……お前さぁ、そういう所鋭いよな」
「お、横野が人のこと褒めた。めっずらし〜!」
「はいはい、自惚れとけ」
調子に乗って、座っていた学校用の木製イスから転げ落ちそうになっていた赤石を横目に、俺は愛川を見つめた。
竹倉にフラれた、という割には前と様子はさほど変わらないように見える。が、それも彼女の性格からしたら何も不思議な事ではなかった。
勿論、その性格というのは、物事に対する執念が少ないという面ではない。人に心配をかけさせたくない。そういう彼女なりの優しさのことである。
「……俺の方が、お前のことを分かってるのに」
今の俺の呟きは、愛川はよはおろか、近くにいる赤石にも聞こえていなかっただろう。
「どうしてなんだよ、未琴」
俺はずっと、愛川未琴のことが好きだった。


「おい、横野。この資料運んどいてくれねぇか?」
「は?嫌ですよ面倒くさい。先生どうせ暇でしょ持ってってください」
「横野って傷つく敬語使うねぇ……ま、普段は暇だけどさ。それは認めるよ。でも、これからちっと来客来るんだよ。お願いしますよ横野さん〜」
それが人によって物を頼む態度か。
非常にダルい依頼を持ち込んで来たのは、我がクラスの担任であった。大きな欠伸をし、ボサボサの髪を切り手櫛で直しながらのお願いだった。
……まず直すべきはその態度ではないだろうか?
「……ワカリマシタ」
「じゃ、よろしく〜」
俺が、例え片言でも了承すると、途端にドサリと俺の手に資料を手渡した。全く、都合の良い奴だ。
想像していたよりもそれが重くて、顔が思わず引きつる。だが、今更この仕事を降りさせてくれるとも思えない。
ゆっくりと方向転換をし、横開きのドアへと歩む。両手が塞がっていたため、力任せに足でそれを開いた。
「ちょっと、荒いなぁ」
「注文が多いですよ」
口うるさい外野にイラつきながら、資料室を後にした。

西校舎2階にある資料室から東校舎1階の職員室までは、地味に遠い。資料室にある物には職員室で使うのがほとんどだというのに、何故そんな距離を置いたのだろう。
設計者、もしくは部屋の割り振りを決めた当時の教員は考えなしか、と当てのない愚痴が俺の思考を埋める。
昼休みで他の奴等がはしゃいでいる時間だから尚更、なんで自分がという不満も浮かび上がってくる。
後であの担任には飲み物でも奢らせよう。そう思った時だった、控えめに、トントンと誰かに肩を叩かれた。
振り返ると、そこには。
「僕、持ちますよ?」
今俺が、あの担任よりも憎くて、嫌いな奴。竹倉透がそこにいた。

GWって案外余裕ないものなんですね(´・ω・`)
しばらく更新出来ません……現在、私生活の方で行事が多くて……短編はあります!

一応ですが、愛川未琴(あいかわ みこと)と読みます!中性的な名前にしたかったので!
だんだん横野と赤書き慣れてきました。
<2017/05/09 23:46 錯乱咲良>消しゴム
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