「透、案外元気そうで安心したわー!な、鳴海」
「そうね〜。包帯巻いてるのが痛々しかったけど」
透の病室を後にした俺達2人は、そんな何気ない会話を交えていた。鳴海は、あまり表情には出していなかったが、俺よりもずっと安心しているように見えた。
「にしても、普段授業中グースカ寝てる鳴海が、透に授業ノートを!って張り切ってんのは面白かったわ〜」
「な、何よ……人には時間を自由に使う権利があるのよ。それに、いつもちゃんとノートはとってるし……?」
わかりやすく、目線を逸らす鳴海。こういうところは、顔にすが出るようだ。
「へぇ〜、じゃ、今度俺が休んだ時も貸して貰おっと」
「はいはい、どうぞ好きにしてください……どしたの、海斗」
「……あれ、横野と愛川さんじゃね?」
ほら、受け付けの辺り。そう補足をして、彼等らしき人物がいる場所を指差す。
「あ、本当だ……あの二人って、意外と、一緒にいる所見かけるのよね〜」
「……もしかして、デキてる……?」
「美男美女カップルかぁ〜、羨ましい」
「……そうなれるといいな、鳴海」
「ちょっと、何よそれ!!」
俺の発言が鳴海の沸点に触れたようだ。拳を構え出した鳴海を視界に入れた俺は、ほんの少し歩くペースを早めた。
–横野視点–
「あ、哲也」
「……結構待った」
「あはは、ごめん。お花、買ってて遅れちゃった」
確かに、実琴の手には、花束が握られていた。名前も知らぬ、桃色の小ぶりな花だった。
「じゃあ、行こうか」
実琴が俺の目の前を通過する時、ふわりと石鹸の匂いが舞った。なんだかそれに懐かしさを感じつつ、俺は「おう」と短く返事をした。
「えっと……202号室だったよね?」
「ん」
「よかった、合ってたね……失礼します」
扉をノックして、実琴がドアを開く。真っ先に飛び込んできた景色は、頭部を包帯で巻かれた竹倉の姿だった。
それを見て、これを自分がしたのだと再確認してしまう。背徳感が、心情の大半を埋め尽くしていく。
竹倉の表情はというと、驚きで満ちていた。なんで、と言いたいような顔だ。
「来て、くれたんですか」
「竹倉君、久しぶり。お兄さんに言われて来たの……えっと、聞いていなかったかな?」
実琴は、部屋の炭に立つ彼の兄へと問いかける。
「サプライズ♪」
俺たちを呼んだ張本人は、いたずらっぽい笑みで微笑んだ。
「そうね〜。包帯巻いてるのが痛々しかったけど」
透の病室を後にした俺達2人は、そんな何気ない会話を交えていた。鳴海は、あまり表情には出していなかったが、俺よりもずっと安心しているように見えた。
「にしても、普段授業中グースカ寝てる鳴海が、透に授業ノートを!って張り切ってんのは面白かったわ〜」
「な、何よ……人には時間を自由に使う権利があるのよ。それに、いつもちゃんとノートはとってるし……?」
わかりやすく、目線を逸らす鳴海。こういうところは、顔にすが出るようだ。
「へぇ〜、じゃ、今度俺が休んだ時も貸して貰おっと」
「はいはい、どうぞ好きにしてください……どしたの、海斗」
「……あれ、横野と愛川さんじゃね?」
ほら、受け付けの辺り。そう補足をして、彼等らしき人物がいる場所を指差す。
「あ、本当だ……あの二人って、意外と、一緒にいる所見かけるのよね〜」
「……もしかして、デキてる……?」
「美男美女カップルかぁ〜、羨ましい」
「……そうなれるといいな、鳴海」
「ちょっと、何よそれ!!」
俺の発言が鳴海の沸点に触れたようだ。拳を構え出した鳴海を視界に入れた俺は、ほんの少し歩くペースを早めた。
–横野視点–
「あ、哲也」
「……結構待った」
「あはは、ごめん。お花、買ってて遅れちゃった」
確かに、実琴の手には、花束が握られていた。名前も知らぬ、桃色の小ぶりな花だった。
「じゃあ、行こうか」
実琴が俺の目の前を通過する時、ふわりと石鹸の匂いが舞った。なんだかそれに懐かしさを感じつつ、俺は「おう」と短く返事をした。
「えっと……202号室だったよね?」
「ん」
「よかった、合ってたね……失礼します」
扉をノックして、実琴がドアを開く。真っ先に飛び込んできた景色は、頭部を包帯で巻かれた竹倉の姿だった。
それを見て、これを自分がしたのだと再確認してしまう。背徳感が、心情の大半を埋め尽くしていく。
竹倉の表情はというと、驚きで満ちていた。なんで、と言いたいような顔だ。
「来て、くれたんですか」
「竹倉君、久しぶり。お兄さんに言われて来たの……えっと、聞いていなかったかな?」
実琴は、部屋の炭に立つ彼の兄へと問いかける。
「サプライズ♪」
俺たちを呼んだ張本人は、いたずらっぽい笑みで微笑んだ。
