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終電ラブストーリー。
- 普通?そんなの分かんないや。 -

どこにでもいる普通の町に産まれた緑。職業だって、いたって普通な会社員。地味だし良い出会いも無い。成績だって真ん中ぐらい。そんな普通の毎日に自分でも呆れ返るほどだった。彼女の普通な人生を狂わせたのは、またいつもの様に会社の小さな机で、仕事を終え定時に帰宅しようとしたときだった。
「あの書類がない…ないっ!ここに置いたのになぁ…どうしてだろう。明日の取引で使うのに…。」
無くしてしまった書類とは、緑が初めて行う取引の内容が記された大事な書類だったのだ。
そのせいで、上司には、こっぴどく叱られ行く予定だった、飲み会の予定もパーになった。
怒られることが全く無かった、緑にとっては最大のダメージとなり、世界一の不幸ものになった気分だった。その夜はやる気も出ず、重い足を引きずりながら近くの公園を目指した。着いたときには、あまりのダメージだったため、書類のことも忘れただ、スマホを片手にぼっーとベンチに座り込んでいた。緑の帰りを心配した母親のメールの通知も気づかないほどだった。あっという間に時刻は終電間近になっていた。さすがに公園で寝泊まりする訳には行かず、重い足取りで最寄りの駅に向かった。幸い車内は空いていた。出発ギリギリで乗車し、はじの席に座った。今までの人生が狂ったような今日を思いだし、何回もため息をついた。五分後、降りる人も少ない小さな古い駅に到着した。カビ臭い駅としても有名なのもあってか、かなりのカビ臭ささに動揺するほどだった。緑は自分が降りる駅でもないので、気を落ち着かせ座席に腰をかけた。カビ臭ささのことも忘れひたすらぼっーとした。すると、自分と同い年か一つ上の美少年と目があった。艶のある黒髪。切れの長い目。スラッとした体。ビシッと決めたスーツ姿。チャラチャラした感じではなく、真面目な印象だった。切れの長い透き通った目にドキッとしたが、我にかえり視線をそらした。そして、何事もなくいつもの駅で降りた。玄関のドアを開けると、緑の帰りをかなり心配し、目が潤んだ母親が目の前に立っていた。母親は何も言わずに、抱き締めてくれた。すっかり細くなった腕が暖かくもらい泣きしてしまった。母親は私の様子を感知したようで、何度も慰めてくれた。次の日、出勤途中に会社から電話があった。無くしたと思っていたあの書類は、社長が捨てたそうだ。社長の謝罪の言葉を無視し、あまりの怒りと悲しみで感覚が麻痺し、気が付いた頃には
「貴方にはがっかりです。辞めます。さようなら。」と、言い電話を切っていた。その日は来た道を戻り、帰宅をした。母親にはやることがあると告げ、自室に閉じこもった。後々聞いた話だと、緑は知らなかったがあの会社は、かなり有名なブラック会社だった。社長のせいで私と同じ目にあって辞めた友達も居た。その時、緑はあの時やめて良かったと思い、ほっとした。それから十年後、あの会社のことも忘れ、新しい会社で楽しく働いていた。その新しい会社に、新入社員が入り歓迎会を開くことになり、その日は胸を弾ませて出勤している時だった。見覚えのある美少年が目に入った。気になったので、話しかけてみた。美少年も緑の事を覚えていたみたいだった。名前は雷と言い、この近くに住んでいるそうだ。どうやら新入社員の一人であり、緑と同じく歓迎会に参加するんだそうだ。あまりの偶然にお互い驚いた。が、すぐに意気投合し一緒に食事に行く仲になっていた。何回も行くうちに好意を持ち付き合うことになった。特に喧嘩もなく、周りにもお似合いだと言われた。彼と今後についていろいろ話し合った末、一年後に結婚。かなりのスピード婚だった。会社では、先輩、後輩の関係。プライベートでは、妻と夫。緑も雷もけじめのつく普通だったが真面目だった為、会社も何も言わなかった。雷が社員に変わる頃、子供が産まれ、さらに幸せな素敵な家庭になっていった。多少の意見の食い違いも出てきたが、周りも認める仲の良い夫婦だった。子供は女の子。杏という名前をつけ二人ともたくさん可愛がり、愛情を注いだ。子供が二歳になる誕生日の日、誰も想像しなかった衝撃の事件が起きた。雷が誕生日ケーキを買いに行った帰り、交通事故にあってしまった。その時は一命をとりとめたが、後遺症で二日後亡くなってしまった。娘には何と伝えたらいいか、緑は動揺で分からなくなり何も言えなかった。相続どころでもなかった。誰も後遺症の内容については、あまり分からずただ、時が過ぎ去っていった。四年後、緑も落ち着き、相続についてもまとまった。娘は六歳。小学校への入学準備には、たくさんの人が助けてくれた。雷の代わりにと、せめてもの助け。だそうだ。本当に有り難かった。そして、春。杏の弟が産まれた。目元なんか雷にそっくりだった。緑はあまりにもそっくりだったので、雷の生まれ変わりとして「雷」とつけた。周りも、育児のことも助けてくれた。変える度に、
「父ちゃんにそっくりやね。」と、言って帰っていった。息子からしたら、謎な一言だったが緑からしたら、思い出を甦らせてくれる魔法の言葉のようだった。そして夏になり、息子を預け出勤をしている途中だった。雷と似た人に出会った。似ている人は、緑に話しかけてくれた。雷の事とか、仕事の事とか。迷惑になるかな。って、心配になるほどたくさん話した。緑は、電車を降り会社に向かった。夏の暑い日差しが照りつけていた。緑はふと思った。あの人誰だろう。と。考えているうちに、雷との楽しい思い出を思い出した。ふふっと思い出し笑いをした。あの人の正体は誰も知らない。でも、知らなくても良いことなのかも。雷の幽霊なのかな。心配したから?さぁ、これからが始まり。今のは序章。夏の太陽が、スタートの合図のように町を一気に照らした。

長い時間、閲覧有難うございます。初めてなので、かなり下手な文章ですみません。
緑が今何をしているか知りたいですか?この続きは徐々に作っていこうかなと。
もしかしたら、貴方の近くにも素敵な出会いがあるかもしれないですよ。
そんな時は、スタートの合図を聞き忘れないでくださいね。何かヒントになるかも…。笑。
<2016/10/26 17:27 ぴよぴよ村長。>消しゴム
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