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桜花に掻く【腐向け】
- 暗黒で。 -

 彼の人は何時も僕を好きだと言ってくれる。
 ただ、それは表面関係上の物じゃないのか、ともしも誰かに言われたなら僕はそれを完全否定出来ないだろう。確かに同性愛者のカップルが動画を投稿すれば、それは面白がって見る輩も多く居るわけだ。再生数を伸ばすだけの道具にされている可能性は棄てきれない。
 自分の心臓を刺すようなことをわざわざ考えて、彼の人を信用できない自分が嫌いだった。
 もしかすると、僕が居ない方が彼は生き易いのかも知れない。その妄想が一番辛かった。
「ポッキーさんさぁ、言うのやめようと思ってたけど、今日は……というか最近苦しそうだよ?」
「……え?」
 どういう了見だろう。寝不足のせいか、肩凝りや体調不良の類いのことを言っているのか、それとも辛い程度の妄想を言っているのだろうか。だとすれば、彼の人はそれを見抜いていたの? 
 僕のことを……。
「どんな風に、"苦しそう"ですか?」
 彼の人は腕を組んで考えた。「どんな風……?」と首をかしげながら。
「えっとね、巧く言えないけどね、こう……思い詰めるというかそのぉ……怖くて肩の力抜けません的な?」
 少なくとも、それだけで模範回答だった。
 それに加えて、彼の人はこう言ったのだ。
「心配しなくても大丈夫だよ。ポッキーさんだもん」
 雨の音が遠くなった。傘を持つ手が口を押さえつけそうになり、気力でそれを治める。
 彼の人の言い方を模倣すれば、肩の力が抜けた気がした。

まだ腐要素無いですけど、
<2017/08/07 00:26 霜月鈴妖>消しゴム
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