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Perfect Blue
- 国木蛍介・origin① -

ゲームセット。
僕の中学野球生活が終わった。まばらな歓声、控えめな父兄の拍手、勝ったチームの笑顔を見ながら整列する。
「ありがとうございましたっ!!!」
泣いてる選手は1人もいない。7月3日。あまりに早い夏の終わりだった。


野球は好きだ、小2の頃にプロ野球を生で見て以来、僕は野球の魅力に取り憑かれ、双子の弟と毎日のようにキャッチボールをしていた。それこそ両親が呆れるほど。

野球は大好きだ。とても。きっと誰よりも。

才能のなさに気付いたのは小5の頃だ。運動神経は割といい方だったが、極度の緊張しいで力が発揮できない。
ボールも遅く、焦れば焦るほどコースは真ん中に寄っていく。

中学の一年生大会、中々に粒ぞろいだと言われた僕らのチームに注目した関係者が大勢見る中、4回裏に登板した僕は、
7四球5エラー13安打4死球を1イニングで、という伝説を叩き出す(もはやネタ)。以来ついた同級生の間でついたあだ名は、「ミスター大炎上」。
それから公式戦での登板は一度もなく、僕は最後の中体連を終えた。

野球をやめる
それは僕にとって当たり前の選択のように見えた。中学軟式とはレベルの違う高校で、僕が通用するわけもない。
いっそマネージャーでもやってやるか。そう思っていた。

あの日までは。




同年11月23日、ロサンゼルス、
U15世界大会のマウンドに立っていたのは国木洸介
そう、僕の弟だ。







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