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Perfect Blue
- 国木蛍介・origin② -

ロスの風はよく冷える。
でも初冬のドジャースタジアムは熱気に包まれていた。
U15世界選手権。記念大会ということで名門ドジャースの本拠地のマウンドに立つのは、背番号1 国木洸介。

僕の、双子の、弟。

中学2年の9月だっけな、父方についていった洸介とは疎遠になって、以来ほとんど会ってなかったんだけど……。
まさかこんなとこにいたなんて。

同じスポーツ、同じ年齢とはいえ、天と地ほど差のある場所にいた弟の現在を知る由もなかった僕は、驚きのままに母とアメリカに飛んだ。

マウンドで怪投を続ける弟に地元ファンの声が飛ぶ。
「Hey KO-SUKE! Let me have it exciting!!」
「こーすけ」じゃなくて「こうすけ」なんだけど……
苦笑しながらマウンドを見やる。
7回3分の2、2安打1失点。ほぼ完璧な内容だな。
自分の片割れが大舞台でこんな投球をするなんて!
僕の心は感動で胸がいっぱいだ。本当に。本当に………。


結局、日本は準決勝を3ー1で勝利した。
興奮で眠れないからと母に告げてホテルを出る。
半分本当で、半分嘘。
なぜこんなに心が晴れないのか。ロスの曇天を見上げながら歩く。
ドンッ。肩がぶつかる。僕は我に返って「すみま……I'm sorry.I di」「てめぇどこ見て」え、日本人?
濃紺に赤のジャージ。JAPANの刺繍。不機嫌そうな瞳に金髪。縫われた背番号は1。

「こ、洸介?」予期せぬ事態だ。嬉しいやら悲しいやら。
「久しぶり!!兄ちゃん感動したよ!」思わず手を握る。
洸介は驚いてるのか口が開いている。
説明のつかない胸の曇りはあるけど、この時は純粋に嬉しかった。僕とは出来の違う、天才の弟。誇らしいじゃないか。
「なぁ、一緒にご飯でも…」手を振り払われる。


「ーーーーーーてめえ誰だよ。」






「……え?」



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