「キミは、誰なんだい?」
「まだわかりませんの?」
するとアイリスは被っていたフードをとり、一瞬の内に変身した。
その姿は背中には大きな羽があり、長く束ねていた銀髪は肩くらいまでの金髪へと変わり、背丈も少し小さくなり、先程よりも幼い顔つきになった。
そう、彼女は本当の姿に戻ったのだ。
キングは信じられないというように言った。
「キミは…!!ローズ…だよね?」
ディアンヌもあまり頭がついていかず
「妖精…族?」
とだけ呟いた。
「私の名前、覚えていてくださったのですね。ハーレクイン様。」
ローズと呼ばれた妖精はふよふよと宙に浮いていた。
「知り合いなの?」
ディアンヌはキングにそう聞いた。
キングは首を縦に振りながら
「ああ。妖精王の森にいたとき、彼女が生まれたときからよく知ってるよ。まだ彼女が小さかったときから、よくヘルブラムやエレインとも一緒に遊んだりしたんだ。」
ディアンヌはそれを聞いて複雑な気持ちになった。
キングのことは、自分が一番よくわかっていると思っていたが、当然自分と出会う前のことはあまり知らないわけで、なんだか寂しくなった。
「ハーレクイン様。私はこの日をずっとずっと待っていました。あなたが森を出て行ってしまってから、なぜもっと早くこの気持ちを伝えなかったのか、後悔しない日はありませんでした。
でも、いつかあなたにもう一度会えたその時は、必ず言おうと、そう思っていました。」
ローズはキングの目の前までいき、地面に足をつけた。
「あなたの事が、ずっと好きでした。今も、ずっと…。」
「ローズ…」
彼女にずっと想われていたとは知らず、そして今も彼女の気持ちに応えることはできないキングは、何と言葉を返してよいかわからず、ただただ彼女を見つめた。
