最初に沈黙をやぶったのは、キングだった。
「ごめんよ、ローズ。まさかキミが、そんな風に思っていたなんて知らずに、オイラは…。
でも、オイラが好きなのは、ディアンヌなんだ。
だから、キミの気持ちには応えられない、ごめんよ。」
キングは申し訳なさそうに、だけどきっぱりとそう言った。
するとローズは豹変した。
口調が変わり、大粒の涙をボロボロとこぼし始めた。
「な…んでよ!!!だって、そのディアンヌって子は、巨人族でしょ⁉︎妖精と巨人が、釣り合うとでも思うの⁉︎ましてや、彼は妖精王なのよ!!
あんたなんか、ついこの前まであの団長とか呼ばれてる男のことが好きだったくせに、ちょっと優しくされたからって!私の方が…!!私の方が、ずっとずっと好きだったのに!!巨人族なんか…」
「ローズ」
ローズがいいかけたのを遮ったのはキングだった。
これまでに聞いたことがないような、低い声だった。
「それ以上言ってみろ。本気で怒るぞ。」
「……」
キングはローズを睨みつけた。
かつて見てきた彼とは、知らない彼だった。
ゾクっと背筋が凍りついたローズは、ぴたっと涙がとまり、それ以上何も言わずうつむいた。
ディアンヌは、言いたいことが山ほどあったが、彼女の言葉がぐるぐると頭の中を駆け巡った。
(あんたなんか、ついこの前まで団長とか呼ばれてる男のことが好きだったくせに!!)
本当に、彼女の言う通りだ。何もいいかえせなかった。
