その後、落ち着きを取り戻したローズと、三人で豚の帽子亭へゆっくり帰った。
その間、彼女は何度も何度もディアンヌに泣きながら謝った。
ディアンヌは泣き止まない彼女の手をずっと握ってあげながら、何度も大丈夫だよ、と口にした。
豚の帽子亭の扉をあけると、真っ先にエリザベスがこちらへ駆け寄ってきた。
「おかえりなさい!遅いから心配していたのよ!…あの、そちらの方は?」
エリザベスはディアンヌと手を繋いでいる妖精の女の子を見ながら言った。
「アイリスだよ。変身してたんだって。こっちが、ほんとの姿。ほんとの名前は、ローズ」
とディアンヌがかわりに説明するとエリザベスは驚いた様子だ。
けれど、泣きはらした様子のローズを見て、それ以上は聞いてこなかった。
エリザベスが三つのティーカップに、温かい紅茶を入れてくれた。
よほど疲れたのか、ローズは紅茶を飲み終えるとそのまま机に腕と顔をくっつけて寝てしまった。
「風邪引いたら困るから、オイラ部屋に寝かせてくるよ。」
とキングは彼女を起こさぬようそーっとシャスティフォルに乗せると、ふよふよと浮かんで二階へ消えていった。
彼女をベッドに寝かせ、布団をかけてあげると、キングは戻ろうとした。
「ハーレクイン様…。」
が、その声に呼び止められ、振り向いた。
「ディアンヌ様は…とても優しいのですね。私もいつか、あんな風に…なりたいです。」
「なれるよ、キミなら。大丈夫。」
キングは微笑んだ。
彼女はまたすぐ目を閉じた。
