「エリザベス…」
本に集中していたエリザベスがその声に顔を向けると、ディアンヌがうっすらと目を開けていた。
二時間程たっただろうか。
エリザベスの手にしている分厚い本は残り三分の一程のページのところで開かれていた。
「起きたのね、ディアンヌ。調子はどう?」
「うん。今は何ともない。寝たらすっきりした。」
言いながら上半身をゆっくり起こし、伸びをした。
確かに、顔色も良さそうだ。
「よかった。」
そして二人は宿屋の主人にお礼を言い、エリザベスがお金を渡して宿屋をでた。
エリザベスが歩みを進めるので特に考えずにそれに着いて行くディアンヌだったが、ある程度歩いたところでディアンヌが口をひらいた。
「エリザベス、そっちはお店じゃないよ?」
豚の帽子定とは、全く逆の方へ行く友人に、そう告げる。
「ディアンヌ。一度、お城へ行きましょう。」
「へ⁉︎なんで?」
「お城に、お医者様がいるのよ。念のため、見てもらいましょう?」
「そうなんだ。でも、いいのかな?ボクなんかが。」
「もちろんよ!私の大事なお友達ですもの!」
「へへ、じゃあボク特別だね!」
と、嬉しそうに言うディアンヌ。
お城につき、事情を説明すると医師は快く承諾してくれた。
そして色々と検査するため、エリザベスはしばらく別室で待った。
わずか十分程して、部屋にディアンヌが入ってきた。
「どうだった?」
「うん。なんか今、色々検査したやつ調べてるみたいだよ。後でここにくるって言ってた!」
「そうなの。」
そしてまた十分も待たぬ内に医師がやってきた。
そしてディアンヌとエリザベスの前にくると、第一声を放った。
「おめでとうございます。」
ニコニコとそう告げる優しそうな医師に、頭には?マークが浮かぶディアンヌ。
「へ?何が…」
医師の次の言葉は、ディアンヌにとって衝撃なものだった。
「お腹に、赤ちゃんがいますよ。」
「………。」
「えええぇぇ〜⁉︎⁉︎」
ディアンヌの大きな声は部屋の外まで響いた。
