妖精王の森で暮らし始めてからは、最初はオリヴィエは退屈そうだった。
元々の人見知りな性格で、中々友達ができなかったが、こっちに戻ってきていたローズが、仲良くしてくれた。
その内ローズの友達とも仲良くなり、少しずつではあるが成長していた。
ある日オリヴィエが、キングにこんな事を言ってきた。
「ねぇ、ぱぱ。どうしてぼくは、ぱぱやみんなみたいにとべないの?」
目尻に涙をためながら息子にそう問われれば、キングは言葉に詰まってしまった。
そう、彼は飛べないのだ。
原因はわからないが、背中には確かに羽がついているのに、何度も試みたが、飛べなかった。
キングはオリヴィエの頭を優しく撫でてあげた。
「大丈夫さ。飛べるようになりたいって思っていれば、いつか飛べるようになるよ。」
「ほんと?」
「本当さ。また一緒に練習しよう。」
「うん!」
涙をごしごしとふき取ると、キングが差し伸べた手をぎゅっと握って歩き出した。
「そうだ、オリヴィエ。お母さんに、一緒に花冠作っていってあげようか?」
「ままに?」
「うん。」
「ぼく、はなかんむりつくる!だから、ぱぱがままにはなかんむりしてあげて?ぼく、とどかないから。」
「もちろんいいよ。じゃあ、あっちのお花がたくさんあるところにいこうか。」
キングはオリヴィエを抱き抱えると、足を宙に浮かせて飛んだ。
オリヴィエは、こうしてキングと一緒に飛ぶことが好きなようだった。
はしゃぐオリヴィエを見て、いつか自分で自由に飛べるようにしてあげたいな、とキングは強く思った。
