「母上、ローズ達と遊んできます!」
数年ですっかり成長したオリヴィエ。
身長も、キングよりはまだ小さいが、随分伸びたように思える。
「はーい!気をつけてね!」
返事をするディアンヌも、すっかり母親らしい一面も出てきたが、その容姿は変わることなく、チャームポイントのツインテールと、可愛らしい顔つきに反して、程よく鍛えられた身体などは数年前とほぼ変わらない。
オリヴィエは最近は毎日楽しそうだった。
だが彼には一つだけ、気がかりなものがあった。
「ローズ!…と、ガウラ。」
いつものように仲間達の元へ行くと、ローズの他に数人いた。
オリヴィエは、このガウラという妖精が苦手だ。
オリヴィエより何百歳か年上の男性で、立派な羽を持ち、ふわふわの白に近い地毛に、綺麗なブルーの瞳。
よくは知らないが、代々妖精王に仕える補佐の一族の、息子らしい。
その容姿に反して、あまり性格がいいとは言えないだろう。
なぜかはわからないが、オリヴィエに対しては特に、嫌味を言うことが多かったため、二人はよく喧嘩しては、ローズにとめられていた。
「おやおやオリヴィエ君じゃないか。出来損ないの妖精王の息子ともあろうものが、毎日暇そうだね?」
「ちょっとガウラ!なぜすぐ喧嘩を売るのよ!やめなさいよ。」
ローズが止めてくれるが、オリヴィエは聞かない。
彼の元へずかずかと歩み寄ると、こういいはなった。
「父上を侮辱するな!」
オリヴィエは、父、ハーレクインが七つの大罪の一人、怠惰の罪<グリズリー・シン>であり、妖精王の森焼失事件のことや、妖精なのに羽も持っていないなど、更にその妻は七つの大罪の一人、嫉妬の罪<サーペント・シン>であり、息子は純粋な妖精ではなく、妖精族と巨人族のハーフだとか、時々影で悪口を言われていることを知っていた。いわゆる、反妖精王派っていうやつだろうか。
ガウラもその内の一人みたいだが、ここまで本人の身内にずけずけと言ってくるものは、彼以外には知らない。
「父上と母上のこと、何も知らないくせに…!」
七つの大罪が何だろうが、妖精王の森焼失事件のことなど、伝説上の話として聞いたことはあるが、それがなんだって言うんだ、とオリヴィエは思っていた。
自分にとっては、優しくて大切な家族である以外何でもないのだ。
だから、それを侮辱してくるものは許せなかった。
「オリヴィエも!やめなさい!!」
ローズに怒鳴られ、二人はフンッとそっぽむいた。
やはり、彼と仲良くなるのだけは無理そうだ。
