「勝負?何で、そんなことするの?」
つい先日始めて会った人間の女の子に、勝負を挑まれる理由がわからないディアンヌは、彼女にそう聞いた。
「あなたが、本当にキング様に相応しい方なのかどうか、知りたいからですわ。」
「キミには、関係な…」
ディアンヌがいいかけたのを遮って彼女は言った。
「勝負といっても戦うわけではありませんわ。あなたの大切なものを、取り返すことができたら、私はもう何も言いません。あなたの机の上に飾ってあった、大切なものですわ。」
「…!!」
ディアンヌには、彼女が何を隠したのかすぐにわかった。
それは、いつかディアンヌが可愛いとキングに言ったお花を、彼が後でこっそり押し花にして、ネックレスを作ってプレゼントしてくれたものなのだ。
「返して!あれは、大切なものなの!!」
涙目でそういうディアンヌ。
けれどアイリスは動じない。
「なら、ご自分の力で取り返してみて下さい。タイムリミットは今日、王都の夕刻の鐘がなる時まで。それまでに見つけられたら、あなたの勝ち。見つけられなかったら、私の勝ちですわ。」
「と言っても、何の手がかりもなしに探すのは無理でしょうから、ヒントを差し上げますわ。」
「え、ヒント…?」
「ヒントは…リナリア」
「リナリア、ですわ。」
