ひとまず、オスローの力で妖精王の森へと戻った一行。
「団長とエリザベス様も、外はもう夜だし、森を抜けるのは危険だ。今日のところはここで過ごしたほうがいいと思う。」
「そうですね。ありがとうございます、キング様。」
「じゃあオイラ、ちょっと見回りしてくるよ。どっかの誰かさんみたいに言いつけ破って森を出たりしてないか確かめないとね。」
キングはオリヴィエの頭をなでながらそう言った。
「す、すみません…。」
シュンと下をむくオリヴィエ。
キングは地面を蹴るとふよふよ浮かびながら遠くへ行った。
「なぁ、オリヴィエ…。」
「なんだい?ガウラ。」
ガウラは言いづらそうに中々本題を切り出そうとしないが、やがて咳払いをすると、語り始めた。
「なんであの時、私を助けたのだ?私はお前に散々嫌な態度をとってきたのに。」
「…そんなの、関係ないじゃないか。仲間が危ない目にあってたら、誰だって助けるだろ?」
「…ふ。お人好しだな。
私は…本当はずっとお前が羨ましかったんだ。」
「えっ、なんで⁉︎」
「優しい両親や、友達にいつも囲まれていただろう。
私には、本当に友達と呼べる存在もいない。家族だって、とうに死んだと思っていた。いつからか、心を閉ざしていたみたいだ。嫉妬心から、酷いことも言ってしまった。本当にすまない…。」
ガウラが、そんなことを思っていたなんて、全く知らなかったオリヴィエは声も出ない。
「あと…助けてくれてありがとう。」
顔を赤くしてそっぽむくガウラ。
「…友達なら、いるじゃないか。」
「え?」
オリヴィエはガウラにすっと手を差し伸べた。
「こっちこそ、酷いこと言ってごめん。
これからは仲良くしよう。」
オリヴィエも、顔を赤く染めた。
ガウラは迷わずその手を掴むと、大きく頷いた。
