あれから随分の時が過ぎた。
寿命の短い人間とは、最後まで共に人生を送ることができないのはわかっていた。
けれどかつて共に戦った聖騎士である、ギルサンダー、ハウザー、グリアモールは、もういない。
キングとディアンヌ、オリヴィエは、彼らが眠る石碑に手を合わせ、目を瞑った。
彼らの功績は決して忘れられぬよう、リオネス王国の教会に、深く刻まれた。
「…もう、随分たつね。」
ディアンヌは持ってきた花束をそっと石碑に置いた。
「うん…。そうだね。」
教会を後にすると、四人はお城へと向かった。
今日はフローラのお誕生日であり、パーティーに招待されたのであった。
「フローラ、お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。キング様、ディアンヌ様。」
深々と礼儀正しくお辞儀をする彼女の姿は、かつてのエリザベスと瓜二つであった。
「父上、母上、フローラと、少しお話をしてきても宜しいですか?」
オリヴィエはそわそわしながらそう聞いた。
ディアンヌはクスッと笑って頷いた。
二人は顔を合わせると嬉しそうに手を取り合って会場の外に出て行った。
「それにしても、キミは相変わらず昔のまんまだね。」
キングが話しかける相手は、金髪がぴょんと寝癖のように跳ねている背丈も顔も少年の様な容姿の男だ。
「お前がそれをいうか?」
メリオダスはごもっともと言える返しをしながらキングと握手をする。
「きてくれてサンキューな。ディアンヌも。エリザベスに会っていくか?」
「うん、いい?」
「もちろん。アイツも喜ぶ。」
メリオダスに案内され、ある部屋へとつくと、そこには美しいエリザベスの肖像画と、彼女が眠る棺と、たくさんの花が置かれていた。
「エリザベス、久しぶり。フローラってば、君にそっくりだね?フローラのお誕生日、おめでとう。」
ディアンヌは返ってくることはない言葉を、エリザベスに投げかける。
キングは持っていた大きな花束をそっと棺の前に置く。
そして二人は静かに手を合わせた。
