「リナリア…?何それ、わかんないよ!それだけじゃ…」
ディアンヌがしばらく考えて顔をあげると、そこにはもうアイリスの姿はなかった。
「と、とにかく調べてみよう。」
ディアンヌは豚の帽子亭に戻るか、王都へ行くか悩んだ末、王都の方が近いと思い、王都へと向かい走った。
王都へ着くと、街のあらゆる人に聞き込みを始めた。
「あのっ…!リナリア、って、何だかわかる?」
「んー?いーや、聞いたことねぇな…。」
「なんかの国か地方の名前かい?」
「人の名前じゃあねぇの?」
「ごめん、わからないや。」
片っ端から声をかけるも、同じような返答ばかり。
子供じゃわからないよな、と思いつつも、目の前を小さな男の子が通ったので、一応聞いてみることにした。
「ねぇねぇ、リナリアっていう言葉知ってる?」
ディアンヌは少年の目線までかがんで聞いた。
「うーん…知らないや。ごめんね。」
そうだよね、とディアンヌが諦めてお礼を言って立ち去ろうとすると、男の子はこう言った。
「ボクにはわからないけど、街の本屋さんならわかるかもしれない。あそこの店主さんは、とっても物知りなんだよ!ボクも、今本を選んできたところなんだ!」
確かに、少年の手には本があった。
ディアンヌは少年に本屋さんの場所を聞くと、ありがとうとお礼を言って走り出した。
