豚の帽子亭についたディアンヌはすごい勢いでドアをあけ、そのまま中へ走っていった。
「ディアンヌ⁉︎そんなに慌ててどうしたの?大丈夫?」
中にいたエリザベスは慌ててディアンヌに駆け寄る。
「エリザベス!ゴウセルは⁉︎」
ディアンヌはエリザベスの質問に答える余裕もなく、唐突にそう聞いた。
「ゴウセル様なら、上の物置きにいらっしゃると思うけど…。」
「ありがとう!」
バタバタと階段を駆け上がるディアンヌ。
その様子をぽかーんと眺めるエリザベス。
「騒がしいやつだな。」
と団長が腕を組みながらエリザベスの隣にきた。
「ゴウセル!ちょっといい⁉︎」
またまたノックもせずにゴウセルのいる物置の扉を思いきり開けた。
ゴウセルは静かに本を読んでいた。
「どうしたんだ?何か俺に、聞きたいことでもあるのか?」
察しのいいゴウセルは、聞かれる前にそう聞いた。
「そうなの!あのさ、リナリアっていうお花知ってる?なんでもいいから、何かヒントになるようなこと知らない?
」
「ふーむ…前に読んだ物語に出てきたことがあるな。しかし実物は見たことがないし、花はそれ程詳しくないからな。」
「そ、そっか…。」
「花なら、俺より王女の方が詳しいと思うぞ。前に俺がもらってきた本のなかに、花の本があったが、王女が読みたがっていたので、そのままあげたんだ。」
「!わかった、聞いてみる!ありがとう!」
またディアンヌはドアを閉めつつバタバタと階段を下りていった。
ゴウセルは何事もなかったかのようにまた本に目線をおとした。
「エリザベス!お花詳しいの⁉︎」
「えっ、お花…?何のお花?」
相変わらず食い気味なディアンヌに少し圧倒されつつ、しっかりと親友の質問に返す。
「リナリアっていうお花なんだけど…。何でもいいから、知ってることない?」
「あの小さなお花がたくさんついているお花ね。ピンクとか紫とか黄色とか、色々な色があるみたいよ。私はピンクしか見たことないけど。
あとは…確か姫金魚草とも言うらしいわよ。」
「姫金魚草…?」
それが一体、何のヒントだと言うのか。ますますわからないディアンヌはうーんと深く考えこんでしまった。
けれど、次のエリザベスの言葉で、それは覆される。
「お花といえば、お花にはそれぞれ花言葉というものがあるのよ。」
「花言葉?」
「ええ、それぞれのお花にこめられた意味が、どのお花にもあるのよ。」
「リナリアの花言葉はね、……
