おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
あと、どれくらい
- 1 -

俺は、誰かに褒められたことがない。
親にも、教師にも、友達にだって、俺が求めている『褒めて』をくれる人は居ない。

俺には兄弟が居る。双子の兄と弟。兄はブラコンで、ウザいとたまに思うくらいだ。
弟は、クールだけど正義感が強い。そんな2人。

親は、小さな頃から兄や弟を可愛がる。
俺のことは、どうでもよかったのかな?いや、そんなはずはないよね。
俺が何もできないからだ。俺ができるようになればいいんだから、そうすれば褒めてくれる。

はじめてテストで100点を取った時、あなたは何も言ってくれなかった。
ただ、お小遣いを少し増やしてくれた。

これだけじゃダメなんだ。そう思って俺は自分を変えた。
欲しいものがあっても言わない。わがままじゃダメなんだ。そうだよね?
でも、まだ褒めてくれなかった。

スポーツを始めた。初めての大会。初めての出場。まだ8歳の俺は少ししかできることがなかった。でも、それを一生懸命頑張った。そうしたら、2年間でレギュラーになれた。
大会にもスタメンとして、入った。でも、自惚れないように周りへの気遣いもきちんとした。
いつの間にか、大人っぽいね。って言われるようになってた。
優勝しても、あなたは何も言ってくれなかった。
ただ、またお小遣いが増えた。そうだよね、一回勝っただけでいつまでも喜んでちゃダメだよね。

小学6年生。学級委員になった。周りの子達からは沢山の信頼があるらしい。
でも、俺が欲しいのは信頼じゃないんだよなぁ

小6の秋。運動会でリレーのアンカーになった。
運動会でぶっちぎりで一位だった。でも、あなたは褒めてくれない。
お小遣いが増えた。そして、いつの間にか俺の心の中で疑問が浮かんでいた。
あれ?何で褒めてくれないの?
って、そんな疑問。
でも、わがままじゃダメだから。口には出さないよ。大丈夫。


小学6年生も終わる。もうすぐ中学生。卒業式、あなたは仕事で来れなかった。
俺は別に大丈夫だった。でも、兄は寂しそうだった。
大丈夫だよ。そう兄にかけた俺の声も少し、少しだけ震えているような気がした。



中学生になった。すぐに実力テストがあった。
褒めてもらえるように努力するね。
勉強をずっとして、全教科95点以上。でも、あなたは褒めてくれない。
兄は、がんばったねって声をかけてもらってた。
そうか、俺の頑張りはまだ足りないのかってそう思った。だから、次はもっとがんばるね。

そして、中間テストがあった。次は、もっとがんばる。
結果は1位だった。98点。がんばった自信があった。
周りの子達の様子が変わった気がした。
どうせ、また○○が一位だろ?
おめでとうって言われるけどその影で、そういう声が聞こえた。
気にしちゃダメ。空耳空耳。そう言い聞かせた。

でも、相変わらず褒められるのは兄。兄の点数は俺より低かった。
『俺は?』って言葉が出そうになって思わず口を塞いだ。
わがまま言っちゃいけない。


体育の授業で、体力を測った。
一位だったよ。1番体力があるんだって。
嬉しかった。自分の努力が報われるのが、1番嬉しかった。
その時、誰かが言った。
『当たり前だろ。○○なんだから』

その言葉が、何故か心に刺さった気がした。
当たり前、なの?

そのあと、テストがあった。
抜き打ちテストであまりいい点数が取れなかった。
結果は90点。

そのあと、あなたに言われた一言で俺の中の何かが崩れた。
点数が低いので怒られるんだなって思ってた。でもあなたは起こらなかった。その代わり、ただ一言。
『………○○なんだからできるのが当たり前だろ』
あ、れ?俺はできるのが当たり前。なの?
できないと、ダメなの?今までの努力が何故かとてもバカらしく思えた。

褒めてあげたい←
<2016/11/23 12:27 rmkn@るまくん>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.