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なんで私には幽霊とかが見えてしまうんだ!


「・・・で、そのお守りって、何なんです?」

「お守り?いや、お守りはお守りだよ。ほら、厄除けとか安産とかあるでしょ。」

「いや、そういうのじゃなくて。もっと・・・具体的な特徴とか・・・です。」

「あ、そっちね。特徴・・・そうね・・・確かピンクのやつだったわね。」

「ピンクですね。分かりました。」

「あ、もしかして一緒に探してくれるの?」

「え、ええ。まあ。」

「良かった~。せっかく人が来たっていうのにだーれも私に気付きやしない。まあしょうがないっちゃしょうがないんだけどね。」

「ハハ・・・」

「じゃあお願いね。ピンクのヤツだよ。」

まあなんとなく話してみたけど、ここまで話せるとは思ってもなかった・・・。
っていうか言われてみれば・・・子供の頃お化けを見たっていう記憶はないな・・・。

・・・なんでだろ。

「・・・どこら辺に置いたとか覚えてます?」

「いや、それがね・・・ないのよ・・・。だから手あたり次第探していくしかないのよねー。まあこの階以外はもう全部探したし、ここら辺にあることは間違いないんだけど・・・。」

「この階以外全部・・・。」

「まあこんな姿になってからもう5・6年くらい経つけど、なかなか見つからないわねー。」

「・・・大切な物なんですか?」

「まあね。私がまだ現役だった頃に患者さんからもらったのよ。」

「へー・・・。」

受付の中へと入り、棚とかを色々あさってみる。
幽霊と間40センチくらいしかないけど・・・大丈夫だよね・・・。
その幽霊は真っ直ぐ書棚を見てる。もうほとんど見えないけど。

まず最初に手に取ったのは青いファイル。

中には患者の入退院の記録がある。

石井浩二、橋下喜美香、赤井大翔、黒田雷斗、坂北聡・・・・
8年前くらいのやつだけど、色々な人がここを利用してたんだね・・・。

その隣には薬品の説明書、利用者名簿・・・・・・
もうバラバラに置いてある。

そして数分後、受付の壊れたパソコンの裏に何か落ちてるのを見つけた。

「あ、あった。」

「え、あった?」

「ほらここに。」

私はパソコンの奥に手を伸ばし、お守りのヒモをつかんだ。
出してみると、その小さなお守りには刺繡がしてある。

『おねえさん、ありがとう。』

「あ、あったーーー!・・・良かった・・・まだ残ってた。」

幽霊の顔を見てみると、何となく嬉しがっているのが分かる。

「・・・受け取らないんですか?」

「いや、いいのよ。そのお守りはそこにあってこそ効くんだから。」

「・・・?」

「ありがとうね。なんだ、5年も探してたのに、案外簡単に見つかっちゃうもんなのね・・・。」

「・・・これで良いんですか?」

「いいのよ、別に。」

「・・・そうですか。」

「よかった、見つかって。・・・ホントありがとう。じゃあ・・・ね。」

「あ、はい・・・。」

そう言うとスーッと彼女は消えてしまった。
さっきまであんなに明るく接してたのに、今はもういない。

・・・意外とあっけなかったけど・・・成仏した・・・のかな?

フッと振り返ると、沖本がこちらを幽霊でも見ているような目で見てくる。

あ、そうか。彼には幽霊が見えないから、私がただ独り言をブツブツ言ってるようにしか見えないのか・・・。なんか恥ずかしい。

私は何事もなかったように受付を出た。
すると、

「・・・お前、大丈夫か?」

・・・案の定の反応。

「何が?」

「いや、さっきから何か変なような・・・。何かいたか?」

「・・・幽霊。」

「幽霊⁉」

「フフ、冗談だよ。」

「あ・・・・・そう。」

すると、病院の奥からみんなが戻ってくる。

「あ、トモりん。今まで何してたのよ~。」

「いや、別に何も。」

「そ~お?」

「あ、それより奥はどうだった?」

「いやそれが、階段が瓦礫で塞がってて、通れなかったのよ。ほんでその後、色々この階の病室とかを肝試し気分で回ってたってわけ。」

「なかなか雰囲気のある病院だったね。色々参考になった。」

部長が持ってきてたカメラを見ながら満足げに答える。

「よく見ると幽霊が少しくらい写ってるかもね。」

「いや藤原さん、そんな不吉なこと言わないでくださいよ。確かめたくなちゃうじゃないですか。」

「もしあったら教えて。拡散するから。」

部長もこれには少し戸惑った表情。

「・・・まあ写真も撮れたし、もう遅いからそろそろ帰りますか。」

「そうそう。こんな所早く帰ろう。」

沖本が激しく同意してる。

その後病院を出た私たちは、病院の前で別れて各々自分たちの家へと帰った。

だけどまさか幽霊に会って話せるとは思ってもなかった。
短い時間だったけど、私にとっては大事な時間だったような気がする。
・・・幽霊が見える・・・ね・・・。






<2016/12/12 21:24 名無しさん>消しゴム
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