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薄桜鬼ー雪光録ー
- 第十五話 再会…? -




「うわっ!」
「きゃっ!?」
後ろから急にぶつかられて、僕は変な声を出してしまった。
なんとか転ばないよう足を踏ん張り、ゆっくり後ろを向く。
「悪い悪い、怪我ねぇかって……………………真雪?」
「平助さん?」
その後、お互いを見つめあってしばしの沈黙。
「「えーーー!?!?」」
僕の大声の原因は、平助さんの背中でぐったりとしている歌恋さんでした…。



「歌恋さんが?」
「ああ…。なんか、血を飲まねえと体調が悪くなるみたいでさ。」
「血を…」
ふと、脳裏に何か浮かんできた。
小さい頃、見てしまった光景。
お父さまの血を吸う、お母さま………。
驚いた僕は、見せようと思った青い花を落としてしまったのを覚えている。
お父さまの優しい視線と、お母さまの悲しい視線。
それは絡み合うことはなくて。
なんとか気づかれないうちに僕はその場から走っていった。
「…僕のお母さまも、たぶんそういう人です。」
「真雪のお母さんが?」
「……はい。」
たぶん、そういうことなのだろう。
「それにしても…」
言いながら僕は顔を上げた。
「大丈夫…ですか?」
「………」
平助さんはふいっとそっぽを向く。
その足はガクガクと震えており、どう見ても大丈夫ではない。
「お手伝いしますよ。」
「いや、オレがやる…!」
歌恋さんってそんなに重かったかな…?
全体的にほっそり…というよりかは痩せすぎ?だし、むしろ軽そうだけど…。
まじまじと二人を見ていた僕は、やがてあることに気がついた。
…平助さんは、人を背負い慣れていないのかもしれない。
重心がだいぶズレているのだ。
「……平助さん。」
「ん?」
ちょっと呆れたような声になってしまった僕を、不思議そうに平助さんは見やる。
「もう少しここをこうしたほうが……。あとここと、ここと、こことか…」
「あっ…!歌恋、軽っ!!!」
何となく、ため息が出た。



「…なあ、真雪。」
「はい?」
「ここからは真雪がおぶってくれないか?」
唐突に言われて、ぽかんと口を開ける。
「いや、構いませんが……屯所まであと少しですよ?」
「うん……だから、オレはもう帰る。」
「え?」
いまいち何が言いたいのかわからなくて、とりあえず歌恋さんを受け取りながら聞き返した。
「ほらさ…一応今のオレは御陵衛士で、お前らは新選組じゃん?土方さんにも関わるなって言われてるし………」
「……そう、でしたね…」
よく考えれば、今こうして話しているのもいけないことのはず。
平助さんは少し寂しそうに目を細めてから、そっと歌恋さんの頭を撫でた。
「普段だったら絶対やらせてくれないからさ。
…じゃ、真雪も元気でな!血のことはこいつもちゃんと知ってるから!」
「はい!…平助さんも、お元気で。」
僕の言葉に、ひらひらと手を振りながら歩いていく平助さん。
僕はしばしその姿を見送ってから、屯所の中に入って行った。
「すみませーん、脱走していた歌恋さん見つけましたあ。」
………ごめんなさい、歌恋さん!




すっごい地味に(月光録の)歴史が変わりました!
……平ちゃんが屯所まで歌恋を送ったか否かです。……地味だなあ……笑
<2017/04/19 21:28 水瀬 玲>消しゴム
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