「で?泣いてるか泣いてるかはどうでもいいから、今どんな状況なんだよ」
面倒そうにしながらも、聞いてくれるんだ。
土方さんはガシガシと頭を掻きながらこちらを見やる。
そんなことまで絵になって、なんだか悔しい。
「…真雪ちゃんに」
「…………真雪に?」
「酷いこと言っちゃいました」
「ハァ?」
何を今更、みたいな顔してる。
「喧嘩したのか?」
「…」
「…?」
いつまで経っても反応しない僕に、土方さんは怪訝そうに顔をしかめた。
「………しっかたねぇな。ちょっと待ってろ」
いや、障子開けて出て行ったけど。
どこに行くつもり?まさか…
ーーーーーー
「…じゃあ、真雪ちゃんも病にかかった…ってこと?」
事情を知っている人以外には話さないという約束で伝えたことに、千鶴ちゃんは驚いたように口に手をやった。
「うん」
返すと、千鶴ちゃんは少しだけ悲しげに眉を下げる。
「そっか。それで、沖田さんに色々言ってしまったのを悔やんでいるってことで良いのかな」
「……うん」
何で、あの時あんなことを言ってしまったんだろう。
総司さんのほうが辛いはずなのに。
千鶴ちゃんはしばらく考えているような顔をして、パッと顔をあげた。
「後悔しているなら謝れば良いんじゃないかな。言いづらいだろうけれど、やっぱりそれが一番だよ」
「……」
謝る。
僕だってそれが一番だとわかっているけれど、行動するのは難しい。
黙り込んでしまった僕を、千鶴ちゃんは心配そうに覗き込む。
「…難しいよね」
「……、うん…」
せっかく提案してくれたのに申し訳ないな。
そう思いながら俯くと、廊下から足音が聞こえてきた。
どうやら、土方さんのようだ。
「おい、千鶴」
「はい!どうなさいましたか?」
「真雪はいるか?」
僕?
こちらを見て首をかしげた千鶴ちゃんに、僕は頷く。
「はい」
その声を聞いて、土方さんは「開けるぞ」と障子を開けた。
「ちょっと来い」
「へ?」
唐突すぎて、思わず聞き返す。
千鶴ちゃんも不思議そうに僕たちを交互に見た。
「良いから来い。…それとも何か話してたのか?」
「ま、まあ…」
「その話は後でもできるか?」
できなくはない、かな。どうだろう。
千鶴ちゃんを見ると、千鶴ちゃんは「私はどちらでも良いよ」という風に頷いた。
「…できます。で、何で急に?」
「ちょっと野暮用だ」
野暮用?
とりあえず、黙って土方さんについて行くことにした。
「あの、土方さん…」
「何だ」
「ここって…」
「総司の部屋だが?」
「ふぁっ?」
土方さんは「なんて声出してんだよ」なんて笑うけれど、僕はそれどころではない。
なぜ総司さんの部屋に……?ものすごく気まずくなりそうなんだけどなっ…?
「お前らでなんかあったんだろ?いっそ腹ん中全部吐き出しちまえ」
「は?」
「は?ってお前…」
「す、すみません」
咄嗟に謝った僕のことは気にせず、土方さんは総司さんの部屋をスパァンッと開けた。
唐突すぎて、僕はぽかんと口を開ける。
見ると、総司さんもぽかんと口を開けていた。
「「……え」」
「ほら」
「「……えっ?」」
「仲良いなお前ら」
「「……………えっ………?」」
「ああもうさっさと話せよ!!!!」
「痛っ!」
後ろから強く背中を叩かれて、思わず声が出る。
総司さんはまだ鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたまま。
「えーっと…」
僕が何て言えばいいのかわからなくて発した言葉に、やっと目が覚めたようにこちらに目をやった。
「あ…その…」
「「………」」
二人して黙り込んだからか、土方さんが小さくため息をつく。
「まず、お互いに伝えてえこと…いや、伝えなきゃいけねえことは何だ?」
伝えなきゃ、いけないこと。
言わなきゃ、何も始まらないし、何も変えられない。
……言わなくちゃ。
一つ、深呼吸をした。けれど、やっぱり緊張して。
おずおずと総司さんの方を向くと、総司さんもまた気まずそうにこちらを見ていた。
「「…」」
「……俺がいたら言いづらいことでもあるのか?なら俺は自分の部屋に戻るからよ。ちゃんとお前らで解決してろよ」
土方さんは業を煮やしたのか、そう言って立ち上がる。
待ってくださいさらに気まずいというか何というか…!
そんな僕の思いも届かず、土方さんはスタスタと出て行ってしまった。
ああ……。
再び、僕たちは視線を合わせる。
どうしよう………。
面倒そうにしながらも、聞いてくれるんだ。
土方さんはガシガシと頭を掻きながらこちらを見やる。
そんなことまで絵になって、なんだか悔しい。
「…真雪ちゃんに」
「…………真雪に?」
「酷いこと言っちゃいました」
「ハァ?」
何を今更、みたいな顔してる。
「喧嘩したのか?」
「…」
「…?」
いつまで経っても反応しない僕に、土方さんは怪訝そうに顔をしかめた。
「………しっかたねぇな。ちょっと待ってろ」
いや、障子開けて出て行ったけど。
どこに行くつもり?まさか…
ーーーーーー
「…じゃあ、真雪ちゃんも病にかかった…ってこと?」
事情を知っている人以外には話さないという約束で伝えたことに、千鶴ちゃんは驚いたように口に手をやった。
「うん」
返すと、千鶴ちゃんは少しだけ悲しげに眉を下げる。
「そっか。それで、沖田さんに色々言ってしまったのを悔やんでいるってことで良いのかな」
「……うん」
何で、あの時あんなことを言ってしまったんだろう。
総司さんのほうが辛いはずなのに。
千鶴ちゃんはしばらく考えているような顔をして、パッと顔をあげた。
「後悔しているなら謝れば良いんじゃないかな。言いづらいだろうけれど、やっぱりそれが一番だよ」
「……」
謝る。
僕だってそれが一番だとわかっているけれど、行動するのは難しい。
黙り込んでしまった僕を、千鶴ちゃんは心配そうに覗き込む。
「…難しいよね」
「……、うん…」
せっかく提案してくれたのに申し訳ないな。
そう思いながら俯くと、廊下から足音が聞こえてきた。
どうやら、土方さんのようだ。
「おい、千鶴」
「はい!どうなさいましたか?」
「真雪はいるか?」
僕?
こちらを見て首をかしげた千鶴ちゃんに、僕は頷く。
「はい」
その声を聞いて、土方さんは「開けるぞ」と障子を開けた。
「ちょっと来い」
「へ?」
唐突すぎて、思わず聞き返す。
千鶴ちゃんも不思議そうに僕たちを交互に見た。
「良いから来い。…それとも何か話してたのか?」
「ま、まあ…」
「その話は後でもできるか?」
できなくはない、かな。どうだろう。
千鶴ちゃんを見ると、千鶴ちゃんは「私はどちらでも良いよ」という風に頷いた。
「…できます。で、何で急に?」
「ちょっと野暮用だ」
野暮用?
とりあえず、黙って土方さんについて行くことにした。
「あの、土方さん…」
「何だ」
「ここって…」
「総司の部屋だが?」
「ふぁっ?」
土方さんは「なんて声出してんだよ」なんて笑うけれど、僕はそれどころではない。
なぜ総司さんの部屋に……?ものすごく気まずくなりそうなんだけどなっ…?
「お前らでなんかあったんだろ?いっそ腹ん中全部吐き出しちまえ」
「は?」
「は?ってお前…」
「す、すみません」
咄嗟に謝った僕のことは気にせず、土方さんは総司さんの部屋をスパァンッと開けた。
唐突すぎて、僕はぽかんと口を開ける。
見ると、総司さんもぽかんと口を開けていた。
「「……え」」
「ほら」
「「……えっ?」」
「仲良いなお前ら」
「「……………えっ………?」」
「ああもうさっさと話せよ!!!!」
「痛っ!」
後ろから強く背中を叩かれて、思わず声が出る。
総司さんはまだ鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたまま。
「えーっと…」
僕が何て言えばいいのかわからなくて発した言葉に、やっと目が覚めたようにこちらに目をやった。
「あ…その…」
「「………」」
二人して黙り込んだからか、土方さんが小さくため息をつく。
「まず、お互いに伝えてえこと…いや、伝えなきゃいけねえことは何だ?」
伝えなきゃ、いけないこと。
言わなきゃ、何も始まらないし、何も変えられない。
……言わなくちゃ。
一つ、深呼吸をした。けれど、やっぱり緊張して。
おずおずと総司さんの方を向くと、総司さんもまた気まずそうにこちらを見ていた。
「「…」」
「……俺がいたら言いづらいことでもあるのか?なら俺は自分の部屋に戻るからよ。ちゃんとお前らで解決してろよ」
土方さんは業を煮やしたのか、そう言って立ち上がる。
待ってくださいさらに気まずいというか何というか…!
そんな僕の思いも届かず、土方さんはスタスタと出て行ってしまった。
ああ……。
再び、僕たちは視線を合わせる。
どうしよう………。
