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薄桜鬼ー雪光録ー
- 第二話 石化 -





今、何時だろう。
いまいちこの部屋だと時間が分かりづらいな。
夕方、くらいなんだろうけど……。
未だに僕のおかれた状況が分からないし、月色さんも来ないし………。
如何すれば良いんだろう。
悶々としていると、急に声が聞こえてきた。
「……起きているか?」
「えっと……は、はい。起きてますが……。
何方ですか?」
そう聞くと、小さなため息と共に返事が返ってくる。
「……斎藤だ。」
っ!!
思わず僕はあとずさる。
な、なんで!?
月色さんは来ないの!?
月色さんっっ!!!
「…おい?………入るぞ。」
「えっ!?い、いや……きゃぁぁあぁぁぁぁあぁ!!」
僕の絶叫が響き渡り、月色さんと男前なお兄さんが来る。……ここまで、一瞬の出来ごと。
「斎藤ぉぉっ!!!」
初めて見る男前なお兄さんに斎藤さんが怒鳴られている中、僕は月色さんと共に外に出たのでした…。



月色さんの後ろにぴったりついて、僕は広間みたいなところに連れて行かれた。
後ろから斎藤さんがややうつむきがちについてくる。
……悪い事しちゃったな……。
僕がただ勝手に叫んだだけで、斎藤さんは僕の様子を見に来ただけなんだもんね……。
…でも、第一印象が綺麗と怖い以外になくて、どうしても……。
「斎藤、すっかり怖がられてんじゃねぇか。」
男前なお兄さんはそう言って少し笑う。
「ですね。」
それに同調する様に、可愛いお兄さんもクスクスと笑った。
斎藤さんも笑えば、もっと綺麗なのに……。
でも、こんな事言ったらなんとなく斬り殺される気がするし…黙っておこう。
「ま、兎に角ご飯ですよ。お腹空いたでしょう?」
その言葉に僕はつい勢い良く頷く。
お腹空きすぎてお腹が痛くなってきた……。
広間に着くと、そこには四人の男性がいた。
「お前が歌恋ちゃんが連れてきたっつー子か?」
そう言って笑っているのは鉢巻を巻いた男の人。…凄い筋肉……。
「へぇ…可愛い顔してんじゃねぇか。
……少し、歌恋ちゃんに似てねぇか?」
そうこっちを見てくるのは色気たっぷりな感じのお兄さん。この人も結構筋肉が……。
でも、優しそうな人で、少し安心できる。
「お前、いくつ?オレ、藤堂平助!よろしくな!」
そう言いながら人懐っこい笑みを浮かべる僕と同じくらいの男の子。
目がくりっとしてて可愛いな。髪の毛が凄く長い……。
「…ふぅん。可愛い顔しているじゃない。」
少し気だるげな声が聞こえてきて、そちらを向くと。
ちょっと浅黒い肌に褐色の髪。
翡翠色の目の色はとても綺麗で、まつげも長い…!
要するに格好良いです物凄く。
副長さんとも月色さんとも一さんとも違う感じ………悪戯っ子って感じ?
「ま、よろしくな!」
鉢巻の人はニカッと笑うと僕の頬を両手で挟んで本当可愛いなぁ〜と遊んでくる。少し痛い…。
悪戯っ子な格好良いお兄さんは、ちょっと口を尖らせた。
「もう、歌恋ちゃんってロクな事しないよね。
何があったらこんな子供を連れてきちゃうわけ?…どーせ拾ってくるなら、女の子にすれば良かったのにさ。」
や、やっぱり僕迷惑かな………。
また涙が出てきそうで、僕は思わず俯いた。
もう、泣き虫で嫌になる…。
「良い加減にしろ、総司。」
そんな時、一さんの凛とした声が響いた。
「…何、一君。」
「この少年は月色が連れ帰り、副長が認めて預かった者だ。少年にも事情があるだろう。あんたのくだらない我が儘如きで乱すな。」
か、格好良い……!!
し、師匠って呼んで良いかな!?
「…言ってくれるよね一君。誰がくだらないって……?斬るよ?」
え、斬るって……!!
物騒すぎるよ会話!
「…一君に総司君、止めた方が良いと思いますよ?この子も怯えちゃってます。」
月色さんがなだめると、一師匠はフッとため息を漏らして大丈夫だ、と首を振った。
総司…さんは一師匠と月色さんを交互に睨みながら先程とは打って変わった微笑みで僕に笑いかけた。
「ごめんね。ねえ、あの二人って可愛いけど顔怖いでしょ?」
「…総司君?」
「…(チャキ)」
月色さんの黒い笑みと一師匠の刀を抜こうとする音で、僕は石像の様に固まってしまいました……。



真雪、歌恋より女子っぽい説浮上。注・男ですっ!
あっ、今更ですが……。
真雪は「藤堂真雪」という名前で、読みは「とうどう ましろ」です。ぶっちゃけ「まゆき」でも良いと思います。
<2016/11/26 22:21 水瀬 玲>消しゴム
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