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薄桜鬼ー雪光録ー
- 第三話 師匠 -





今日は結局帰ることができなくて、僕はここに泊めてもらう事になった。
「……副長。こいつは俺の部屋に……」
「あ?駄目に決まってんだろ。」
一師匠の言葉に、土方さんは眉間に皺をよせる。
その様子に、僕は慌てて言った。
「え、いやその………僕、月色さんが良いです………。」
「……いや、それはやめとけ。一応性別のもんだ…………何でもねぇ、気にしないでくれ。」
……せいべつのもんだ?
何だろう………。
まあ駄目なら仕方ないか、と一人納得している僕の目の前で更に小さな戦いは激しくなっていく。
「……何故駄目なのですか。」
「あ?駄目なもんは駄目なんだよ。泊まるんなら俺の部屋で良いだろ。」
「いやあ、土方さんの部屋は汚いから無理ですよ。」
「おい歌恋誰の所為だと思ってんだ。」
「土方さんと総司君でーす。」
「………まあ合ってるんだがよ。
だったら、平助なり原田なりで良いだろ。」
「嫌だなあ、僕を忘れていますよ。」
「総司、てめぇは駄目だ。」
「えー。」
「じゃあオレの部屋で良いよなっ!な!」
「平助の部屋も汚いだろ?俺の部屋に……」
「黙れ歩く十八禁。」
「十八禁………?」
「あ、何でもないです。」
「………一番マシなのって、一君なんじゃない?左之さんはあいつが襲われそうだし、オレや土方さんや新八つぁんの部屋は汚いし、総司はあいつが泣かされそうだし…………。」
「なんで俺が襲う前提なんだよ、平助!」
「……襲いそうですよね。」
「ちょっ、歌恋ちゃん?」
「……はぁ…仕方無え。斎藤、頼む。」
「承知しました。」
………うん、決まったみたいなんだけどさ…………一師匠……やっぱり少し怖い…………。
でも、本当は良い人かもしれない…………。
僕は覚悟を決めて一師匠に礼をした。
「よろしくお願いします…。」
「………ああ。」
一師匠は冷たく僕を見下ろした。
…………やっぱり怖いぃぃぃいぃ!


一師匠のお部屋に入って少し経った頃。
どうすれば良いのかとうろうろしていた僕をじっと見つめた一師匠は、
「………少し待っていろ。」
とだけ言って何処かへ行ってしまった。
……何処に行くんだろう……………。
ま、まさか僕を斬るための刀の手入れの道具を………!?
い、いやまさかそそそそそんな……………
自分でも顔が青ざめていくのがわかる。
どうしよう…………。
そう思っていた時、突然障子が開いた。
「ひっ!!」
思わず声をあげると、一師匠はきょとんと首を傾げた。
「……何故そこまで怯えている?」
「あ、いやその……」
なんて言おう…………。
「………平助の着物を借りてきた。今日明日はそれを着ていろ。」
そんな言葉と共に、僕のそばにあのちょっと複雑な着物が置かれた。


「……出来ました。」
そう僕が言うと、一師匠が振り返った。
そして、目を見張る。
「……小さいな……。」
「………はい……。」
……意外と平助さんは背が低いようで、少し小さい…。
「可笑しく……ないですか?」
僕が聞くと、一師匠はフ…と口角を上げた。
「…良く似合っている……。」
「………ふぇ?」
予想外の言葉に、僕は馬鹿っぽく口を開ける。
一師匠の口から、似合っているって………。
似合うけど似合わない……!
「………名は何だ?」
そんなあたふたしている時に聞こえた声だから、僕はまたもや馬鹿っぽく口を開けることになった。
「………え?」
「…名は何という?」
あっ、名前………。
そういえば名乗ってないな、と僕は一さんに向き直った。
「藤堂真雪、です………斎藤一師匠…ですよね……?よろしくお願いします。」
て、自然と師匠つけちゃった!
ど、どうしよう………
「ましろ…………漢字は……」
でも一師匠は特に気にした様子もなく聞いてきた。
なんとなくホッとして僕は答える。
「真っすぐに雪、です。お母様がつけてくれ名前なんです!」
思わず声を弾ませると、一師匠はまた薄っすらと笑った。
「………母上の事を、余程好いているのだな。
…俺のことは、別にどう呼んでも構わぬ。が、……その、師匠は………」
冷酷に見えた瞳に灯る優しい光に、僕はなんだか嬉しくなって顔を綻ばせた。
「はい!」
……て、聞かれてた………。






気の弱めなキャラを書くとき、どうしても「…」を多用してしまうserenaです。でも真雪は歌恋よりなんとなく書きやすいし描きやすいです。理科の授業中とか結構お絵描きしてるんで……………だから今回のテスト点数低かったのか!!!!
<2016/11/28 19:18 水瀬 玲>消しゴム
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