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天使郵便からお手紙です。
- この世界で何が出来るか -

さっきのページの続きです。

―地獄―

地獄に来たとはいえ、非常に暑い。サウナに何時間といるような暑さだ。……メロンパン溶けてないよね?
???「そこの者、止まれ。」
ハヤテ「はっ、はいっ!?」
中世風の鎧を着た金髪ロングの少女が門の前で俺に剣を向けている。もしかしてこの人がウリエルさん?
ハヤテ「あ、あの……ウリエルさんですか?俺は天使郵便という仕事でウリエルさんに手紙を渡しに来て……」
???「天使郵便?あなた、天使郵便の職員だったのね!あなたの言う通り、私は「ウリエル」よ。」
ウリエルさんは俺に向けていた剣を下げ、怪しい者じゃないと分かった途端、俺に笑顔を向けた。
ウリエル「ごめんなさいね……見ず知らずのあなたに剣を向けてしまって……」
ハヤテ「こちらこそ急に入ってすみませんでした…手紙なんですが、こちらになります。」
俺はさっき取った黒い封筒をウリエルさんに渡した。
ウリエル「ありがとう。ガブリエルから話しは聞いているわ。今日から入った新人だってね。名前は何て言うの?」
ハヤテ「木枯ハヤテです。後、ガブリエルからこのメロンパンを渡してと言われてきておりまして…」
俺はガブリエルから頼まれたメロンパンの入った紙袋を差し出した。
ウリエル「あの子…今度はメロンパン作ったのね。でも私はガブリエルのパンが好きだから結構よく食べちゃうんだけど……これもありがとね!ハヤテくん。」
ギィィィ………
地獄の住人「人間だぁ………ほんの少し食わせてくれよぉ………………」
バタン!!!
ウリエル「罪人は黙ってなさい!!!」
地獄の住人を門越しで蹴り一発で黙らせるとか……この人色々と凄すぎる………
ウリエル「はぁ~………最近は罪人が多くなってここが圧迫してきてるのよね…ストレスは体に悪いのに強制的に溜まるわ。」
ハヤテ「はは……それじゃあ、俺はこの後も仕事があるので行って来ます。」
ウリエル「うん!ガブリエルにお礼言っといて!この後の仕事も頑張ってね!」
いいことをした時ってちょっぴり嬉しいんだな……

仕事終了………

ガブリエル「どうだった?始めての仕事は?」
ハヤテ「宛名の人に渡しに行くまでは大変だけど、渡した後は何だかちょっぴり嬉しいんだ。」
ガブリエル「それがこの仕事の目的さ。この仕事は宛名の人だけがいい思いをするんじゃない。渡した本人も気持ちのいい思いになれる。君は気付くのが早かったんだね。」
この仕事は単なる商業ではないということだな。

―翌日―

ガブリエル「ハーヤーテ!朝だよ!起きないと耳f、」
ハヤテ「分かった!分かったよ!昨日と同じこと言うな!」
今日は別の意味で出オチか作者?

作者「俺は知らん。」

ガブリエル「昨日が初日にしてはハヤテは中々手際がいいね。」
ハヤテ「ガブリエルは一日に何通ぐらい届けるんだ?」
ガブリエル「僕は大体………50通ぐらいは普通に届けるよ。」
ハヤテ「50通!?」
まだ一日平均10通くらいのレベルじゃ勝てねぇ…「ド〇クエ」で例えるなら「ド〇キー」と「ゾ〇マ」のレベルだぞ……
ガブリエル「それじゃ!今日も張り切って行こー!あっ!今日はハヤテに渡すものがあったんだった。」
ハヤテ「またウリエルさんにパン渡すのなら自分でやれよ。」
ガブリエル「違う違う。今日は手紙だよ。」
ハヤテ「手紙なら仕事で渡すだろ?」
ガブリエル「手紙といってもあっちとは別で僕達のところに届くこともあるから………はいこれ。」
渡されたのはピンクがかった封筒の手紙。人間界のものかな?
ハヤテ「これって人間界の手紙?」
ガブリエル「いや、これは天国の手紙だ。天国の封筒の基本色は白だけど、玉にこういう色の手紙が来るんだ。最近頻繁に見るようになってきてどうも怪しいんだ……多分ラファエル宛ての手紙だろうけどラファエルは最近かたくなに家から出たくないって言ってるし……だから今日はハヤテにラファエルの様子を見てきてほしいんだ!」
前のガブリエルの話しでラファエルさんはかなりの美人さんらしいからプロポーズがよく来るって言っていたな。もしかしたらその手紙かもしれないな……
ハヤテ「分かった。ついでにラファエルさんとは初対面だから会って確かめてくるよ。」
ガブリエル「ありがとう!ラファエルの家はここから近くの聖水が湧き出ている噴水の近く…「ベドサダ」という住宅街にあるから。じゃ、二日目の仕事よろしくね!」
俺はガブリエルと真逆の方向の「ベドサダ」の住宅街にむかって飛んだ。

―ベドサダ―

ハヤテ「ここのはずなんだが……」
人気が溢れる住宅街に着いたが、どれも同じような家ばっかりでどれがラファエルさんの家か分からない。
ハヤテ「とりあえず、一件一件探していくしかないな……」

家探し中………

ハヤテ「あった!ここだ!」
意外と早く見つかった。看板に英語で名前が書かれている。早速玄関に向かい、ドアをノックした。
カン、カン……
あれ……出てこない…
ハヤテ「留守かなー……」
カン、カン……
やっぱり出てこない。今度は直接声で呼んだ。
ハヤテ「あのー、すみません!ラファエルさんのご自宅ですか?手紙があるので出て来てくれませんか?」
???「ごめんなさい……今日はやめてもらえませんか……」
中から小さく声が聞こえた。今日はやめてほしい?俺は初対面のはずだが……
ハヤテ「天使郵便の新人なんですけど……仕事仲間のガブリエルに言われて来ました。よかったら話しをさせて下さい!」
ガブリエルという言葉に反応したのか、やっとドアのロックを開けてくれた。
???「天使郵便の方でしたら……どうぞ……」
出てきた少女はガブリエルの言う通り、相当の美人だった。風で水色の髪が気持ちよくなびいている。家に上がっていいのか迷ったが、少女が入れと言わんばかりに勧めるため、仕方なく上がった。
ハヤテ「まず確認を取らせていただきますが、ラファエルさんでいらっしゃいますよね?」
ラファエル「はい…私は「ラファエル」です。ガブリエルに言われて来たと言いましたよね……?」
ハヤテ「はい、そうです。ラファエルさんの友人のガブリエルからラファエルさんに会って様子を見てきてほしいとの忠告がありまして……」
ラファエル「私がてっきりまたプロポーズをしに来た人かと思って………わざと出ませんでしたが………天使郵便の方で…あの……本当にごめんなさい……」
間違えるのは悪くないけど、昨日から俺かなり間違えられてる気がするんだが………
ラファエル「よかったら………名前を……」
ハヤテ「木枯ハヤテです。まだ昨日天使郵便に入ったばかりの新人です。えっと……何故プロポーズをしに来た人だと勘違いしたのですか?」
ラファエルさんは俺に紅茶を差し出してくれて、それから話しを始めた。
ラファエル「私は生まれてからずっとこのベドサダの住宅街に住んでいて…それまでは何事もなく裕福に暮らしていたのですが…………ここにきて最近、男性の方がよくこの住宅街に引っ越して来ることが多くなって、何かと思えば私と結婚することが目的らしくて……私はまだ結婚できる年齢ではないのに、ずっとプロポーズされてきて………」
ハヤテ「それで…一日中家に………」
ラファエル「はい……最初は普通に断れていたのですが、段々とプロポーズをしてくる人も多くなってきて……私は家から出ることが出来なくなってしまったのです…………」
俺がラファエルさんをもう一度見た時にはラファエルさんが泣いていた…ずっと家に監禁されているようなものだから、相当苦しかったんだろうな……
ハヤテ「辛いお気持ちは分かります……」
ラファエル「いいんです……こんな私に同情なんてしなくて…………」
どうにかならないものか……ここは一端ガブリエルのところに戻って作戦を考えよう。あ、ガブリエルから渡された手紙を渡さないといけないけど……今の状況で大丈夫かな……
ハヤテ「辛いところ申し訳ありませんが、ガブリエルからラファエルさん宛ての手紙を預かっておりまして……これがそうです。」
俺は今朝渡されたピンクがかった封筒を差し出した。
ラファエル「これは…まさか……」
ハヤテ「いや…それが…俺でも分からなくて……とりあえず開けてみて下さい……」
ラファエルさんは震える指で封筒を開けて手紙を取り出した。手紙の主はプロポーズをしたい男性ではなかった。
ラファエル「これは………ウリエルの手紙………?」
ハヤテ「ウリエルさんから!?」
何と、手紙の主はウリエルさんだった!もしかして、ウリエルさんもガブリエルと同じことを考えてラファエルさんに手紙を書いたのかもしれない。手紙にはこう書いてあった。


ラファエルへ
どう?元気にしてる?私は嫌でも元気だけどね!ラファエルは最近よくプロポーズ来るらしいけど大丈夫なの?でも何か羨ましいな。私はずっと地獄で仕事をしているから…恋とか、そういうのはしたことないんだよね。とりあえず、この手紙でも読んで元気出しな!
                    ウリエルより


ラファエル「相変わらずですね……ウリエルは昔からずっと…」
ラファエルさんの顔に笑顔が戻ってきた。友達っていうのはこういうことなんだということを改めて知った。
続きは次のページに書きます。


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