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掌編小説「文学という名の星空の下で」
- 桜花 -

春の一時の事でございました。桜花は咲き乱れ、甘い香を振り撒き我々を誘惑しているのです。
桜花、と一言に申しますのも、それらを表す適切なる言葉が他に見つからぬのです。

また一人その誘惑に負けた青年が、桜花に近づき、そして血相を変え何処かへ走り出すではありませんか。

これには理解に苦しみなんと表そうか、彼は心を病んでしまったのです。

ここのところ、桜花には良からぬ噂がたち始めたのでございます。
「呪いの桜」 「死体が埋まっている」等という阿呆な噂、世間一般誰しもが知るものもあるでしょう。

とあるところの評論家は「死体が正しい」と言い張り、方や隣の評論家は「呪いだ」と言って聞かぬもので、何れが何を意味しているのか判るものも判らんと、言う人間も多く存在しておりました。

しかし、それらの悉くを粉砕し、世間をひっくりかえしたのは、桜花の誘惑で心を病んでしまった青年の一言でございました。











「何を言っているのだ? 桜花は素敵な女性だぞ」




<2016/12/03 00:11 霜月鈴妖>消しゴム
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