溶けてしまう。体が溶けてしまう。助けてくれ、姉ちゃん。ルチア。レオ。
イタリアの。そこまで裕福ではないが貧乏でもない家に俺、イルーゾォは生まれた。薬でおかしくなった父とあまり優しいとは言えない母の元に俺は生まれた。自分と遊んでくれるのは姉ちゃん。そして、謎の人の様なやつだった。近所のやつらは俺の髪、長い黒い髪をからかい苛めた。あだ名を付けた。
「臆病者!根暗のイルーゾォ!」
着る物もおかしいと言われ続け、母に髪を切ることを頼んでも切ってくれなかった。
姉ちゃんだけが。俺の長い髪を素敵だと、私と同じねと褒めてくれた。喜んでくれた。
「ほら、見てイルーゾォ?こうしたらとっても素敵よ?」
そう言って髪を4つに分けて結んでくれたりした。
学校に行くのは嫌いだった。俺の味方は居ないし。もう一人の世界が欲しい。そう感じていた。ある日までは。
その日も俺は苛められていて。鏡に顔をぶつけられていた。痛い、破片が刺さる。
「何してるの?」「おい!何してんだよお前ら!」
転校して来た女の子と前まで苛められていた男の子だった。名前は忘れてしまった。覚える気などなかったし。
「やっべルチアちゃんだ」「可愛いよなー」「何呑気なこと言ってんだバカヤロー!」
逃げていく奴等。
「あーあ、なっさけない。あなた大丈夫?怪我してない?」「ごめん。あいつらにビシッと言いたかった」
「あぁ。あたしルチア!こっちはレオ!あなたはえっと・・・」
「イルーゾォ」
銀髪に碧い目が輝く少女だった。そして後ろに花の上に我が物顔で座る鳥が見えた。羽根に大きな傷を負った。
金髪の少年だった。しょげてる様子の似合わない少年だった。
「君の後ろの鳥」
「見えるのっ!」
驚いた様に飛び上がるルチア。名前はないけどね、と。俺の頬に触れる。
「ピィ」と小さな声をあげ頬を羽根で包んでくれる。次には傷は全て消えていた。
「この子、怪我治せるの、昼だけ。秘密だよ?イルーゾォ!」
弾ける様な笑顔を見せて。レオと居なくなってしまった。
毎日のように遊びまわって。教室で俺に向けられる視線は険しくなったが、いじめは消えて。
「ありがとうルチア」
言いたい一言が言えなかった。
「イルーゾォ、好きな子できたの?」
姉ちゃんの質問にパスタを落としかける。何でだよと言い返す。
「最近表情変わったもの。良かった。イルーゾォも幸せ掴むのよ?幸せを取るのに許可は必要ないの」
ありがとうと言えた。ルチアは俺をどう思ってるのだろう。
思いを伝えよう。
学校で。ルチアの席に行って。バクバク煩い心臓。
「ちょっといいかな」
校舎の俺を助けてくれたあの鏡の場所で。鏡は新しいのに変えられていた。
「どうしたの?イルーゾォ」
「ルチア、君が、君が好きなんだ!」
恐る恐る視線を上げる。
「ありがとう、あたしもっ」
ルチアの肩をサメが引き千切った。腕から剃刀が溢れた。
「ルチア⁉︎誰だ!こんなことをした奴は」
奥からゆらりと出てきた者達に。驚き。憎しみが溢れ。
「マン・イン・ザ・ミラー!」
俺からあいつが。俺の側にずっといたあいつが。現れて。鏡に手をついた。キョカシテクダサイ。そう呟いた気がして。無意識のうちに叫んだ。
「あいつらが鏡に入ることを許可する!引き込め!マン・イン・ザ・ミラー!」
奴等は鏡に吸い込まれていく。驚きの表情を浮かべて。目眩がする。凄い疲労感がする。
ルチアが視界の隅で動く。あの鳥なら治せるのではと、昼だけ?日光が出てる時だけ?日の光のもとへ。ルチアを担ぎ日向へ出る。俺もそこで意識が途絶えた。
目が覚めて。視界に一つのメモが見えた。
[イルーゾォへ。姉ちゃんは家出しなければならなくなりました。あなたの恋は叶ったかしら?恋は幸せだけど時に毒になるの。気をつけてね。強く、なるのよ。]
涙が溢れる。俺は一人なんだ。最後には。ルチアから昔貰った髪留めを。レオから貰った髪留めを。姉ちゃんから貰った髪留めを。自分の髪留めを。着けて俺は家出した。ギャングの世界へ向かい。
溶ける間際に、髪留めを外す。鏡の破片と髪留めを。握って。
「これぐらいは許可してくれよ」
毒に侵され死んだ青年を。暗い叫び声を上げて死んだ青年を。その形見を。
見つけたのは髪をお揃いの、形見とお揃いの髪留めで結んだ銀髪の。碧い目をした。成人を迎える間際の少女だった。
イタリアの。そこまで裕福ではないが貧乏でもない家に俺、イルーゾォは生まれた。薬でおかしくなった父とあまり優しいとは言えない母の元に俺は生まれた。自分と遊んでくれるのは姉ちゃん。そして、謎の人の様なやつだった。近所のやつらは俺の髪、長い黒い髪をからかい苛めた。あだ名を付けた。
「臆病者!根暗のイルーゾォ!」
着る物もおかしいと言われ続け、母に髪を切ることを頼んでも切ってくれなかった。
姉ちゃんだけが。俺の長い髪を素敵だと、私と同じねと褒めてくれた。喜んでくれた。
「ほら、見てイルーゾォ?こうしたらとっても素敵よ?」
そう言って髪を4つに分けて結んでくれたりした。
学校に行くのは嫌いだった。俺の味方は居ないし。もう一人の世界が欲しい。そう感じていた。ある日までは。
その日も俺は苛められていて。鏡に顔をぶつけられていた。痛い、破片が刺さる。
「何してるの?」「おい!何してんだよお前ら!」
転校して来た女の子と前まで苛められていた男の子だった。名前は忘れてしまった。覚える気などなかったし。
「やっべルチアちゃんだ」「可愛いよなー」「何呑気なこと言ってんだバカヤロー!」
逃げていく奴等。
「あーあ、なっさけない。あなた大丈夫?怪我してない?」「ごめん。あいつらにビシッと言いたかった」
「あぁ。あたしルチア!こっちはレオ!あなたはえっと・・・」
「イルーゾォ」
銀髪に碧い目が輝く少女だった。そして後ろに花の上に我が物顔で座る鳥が見えた。羽根に大きな傷を負った。
金髪の少年だった。しょげてる様子の似合わない少年だった。
「君の後ろの鳥」
「見えるのっ!」
驚いた様に飛び上がるルチア。名前はないけどね、と。俺の頬に触れる。
「ピィ」と小さな声をあげ頬を羽根で包んでくれる。次には傷は全て消えていた。
「この子、怪我治せるの、昼だけ。秘密だよ?イルーゾォ!」
弾ける様な笑顔を見せて。レオと居なくなってしまった。
毎日のように遊びまわって。教室で俺に向けられる視線は険しくなったが、いじめは消えて。
「ありがとうルチア」
言いたい一言が言えなかった。
「イルーゾォ、好きな子できたの?」
姉ちゃんの質問にパスタを落としかける。何でだよと言い返す。
「最近表情変わったもの。良かった。イルーゾォも幸せ掴むのよ?幸せを取るのに許可は必要ないの」
ありがとうと言えた。ルチアは俺をどう思ってるのだろう。
思いを伝えよう。
学校で。ルチアの席に行って。バクバク煩い心臓。
「ちょっといいかな」
校舎の俺を助けてくれたあの鏡の場所で。鏡は新しいのに変えられていた。
「どうしたの?イルーゾォ」
「ルチア、君が、君が好きなんだ!」
恐る恐る視線を上げる。
「ありがとう、あたしもっ」
ルチアの肩をサメが引き千切った。腕から剃刀が溢れた。
「ルチア⁉︎誰だ!こんなことをした奴は」
奥からゆらりと出てきた者達に。驚き。憎しみが溢れ。
「マン・イン・ザ・ミラー!」
俺からあいつが。俺の側にずっといたあいつが。現れて。鏡に手をついた。キョカシテクダサイ。そう呟いた気がして。無意識のうちに叫んだ。
「あいつらが鏡に入ることを許可する!引き込め!マン・イン・ザ・ミラー!」
奴等は鏡に吸い込まれていく。驚きの表情を浮かべて。目眩がする。凄い疲労感がする。
ルチアが視界の隅で動く。あの鳥なら治せるのではと、昼だけ?日光が出てる時だけ?日の光のもとへ。ルチアを担ぎ日向へ出る。俺もそこで意識が途絶えた。
目が覚めて。視界に一つのメモが見えた。
[イルーゾォへ。姉ちゃんは家出しなければならなくなりました。あなたの恋は叶ったかしら?恋は幸せだけど時に毒になるの。気をつけてね。強く、なるのよ。]
涙が溢れる。俺は一人なんだ。最後には。ルチアから昔貰った髪留めを。レオから貰った髪留めを。姉ちゃんから貰った髪留めを。自分の髪留めを。着けて俺は家出した。ギャングの世界へ向かい。
溶ける間際に、髪留めを外す。鏡の破片と髪留めを。握って。
「これぐらいは許可してくれよ」
毒に侵され死んだ青年を。暗い叫び声を上げて死んだ青年を。その形見を。
見つけたのは髪をお揃いの、形見とお揃いの髪留めで結んだ銀髪の。碧い目をした。成人を迎える間際の少女だった。
