この春、私は2年生になった。
新しい教室、クラスメイト、先生にワクワクドキドキしたものだ。
後半クラスになりたかったが2組だった。期待が外れることはよくある事なのでまぁいいとする。
ざわざわする教室。そのなかで話をする担任らしき人。あぁ、本当に2年生になったんだな。と思う瞬間だった。その流れで2年生になる前に決めたことがあると、思い出したが、今は関係ないようだった。
本当に今は、ただただ助けてほしいところなのだ。
今、黒板に5つほど質問がある。
・名前は?
・去年は何組?
・好きな食べ物は?
・趣味、特技は?
・得意な〇〇は?
上の2つは強制的に。下の3つから1つ選び、クラスメイトの前で言わなくてはならない。
つまりアレだ。
新学期恒例のアレ。
自己紹介。
これほど私が嫌なものはない。
私の前には、ゆるふわショートのちょっとボーイッシュな女の子がいる。 私の友達である夏希だった。
夏希は振り向いて話しかけてきた。
『ねぇ、このみ。どの質問に答えることにする?』
“このみ”それが私の名前だ。
『さぁ、なんでもいいと思うけど。夏希は?』
ふぅん。そう来るか。と黙って夏希は私を見た。
『何かたくらんでる顔してる。』
そう私が言うと、「もういい」と踵をかえした。
自分的には、考える時間ができて好都合だ。
そして、私は人見知りを捨てなくてはと考える。
私はこれまでずっと、人見知り・恥ずかしがりでその上赤面しやすいという最悪の条件のなか、頑張ってきた。でも、良いことなんて1つもなかった。だからこそ、1つでも減らそうと考える。
そしてたどり着いた答えが゙無”になるというものだった。
“無”になるためにはどうするといいのかわからない私は考えるだけ考えたが、ただ発言する順番が近くなっただけだった。
これが本当の考えるだけ無駄ってやつか。と実感した。
実感している間に、次が夏希の番になっていた。
