朝、学校に登校するとき、決まってあるものを探してしまう。それは、猫達だ。前足を揃えていかにも「美しいでしょう?」と聞いてくるようにじっと見つめてくる。でも、その猫達がかわいらしいと思って探しているのが現実だ。
学校に着くと、早速朝の会なるものが始まる。
『ええー。今日はですね、1年生の入学式があります。あなた達は、もう、2年生です。自覚を持って行動して欲しいな。と、思っています。じゃあ、早速体育館に移動してください。』
担任らしき人がクラスメイト全員を見渡すように、言った。その直後、ぞろぞろとクラスメイト達が教室から出ていく。
教室を出ようとしたとき、夏希が笑いながら話しかけてきた。
『このみっ。おはよう!!今日、あんたのところの妹が入学するでしょ。楽しみだね。』
『おはよう。夏希。楽しみにしてるのは夏希の方でしょっ!!あぁ-。もう嫌だよ。夏希は知らないかもしれないけど、朝、制服を着てきた妹が「このみより似合ってるでしょ♪」って言ってきたんだよ!』
私が嫌みたっぷりに言っていると、夏希が「嘘だー!あんな可愛い妹ちゃんがそんなこと言うわけない。」と体育館に着くまでずっと主張してきた。
『入学式を始める3分前となりました。静かに席について下さい。』
放送委員のアナウンスによって、体育館内がいつも以上に静まり返る。
『これより入学式を始めます。1年生の皆さんは入場してください。』
歓迎の音楽と共に、1年生が入場してくる。キリッとしている子もいれば、そわそわと落ち着きの無い子もいた。もちろん、おしゃべりをしている子も。そんななか、妹のクラスが入場してきた。列の最後尾に近いところを歩いていた。妹は、いかにも真面目ですよ。というような面持ちで歩いていく。
夏希が耳打ちしてくる。
『ほらっ!やっぱりいい子ちゃんの妹ちゃん!!』
夏希、騙されてるよ。うちの妹に。という言葉を飲み込んで、「そうかもしれないね…。」と返しておいた。
入場したと思うのもつかの間、校長の長ったらしい話が始まる。ずっと同じような声の大きさと高さで話すので、朝というのもあってか、ものすごく眠くなる。やっとのことで、眠気に勝つと楽しみが待っていた。
『ええー。ただいまより、各学年の担任の先生を発表します。』
私の学校では、この発表がものすごく盛り上がり、とても落胆の差が激しいことで有名だ。
やはり担任は予想どうりで、教室に来ていた先生だった。ほかのクラスからは、新任の先生らしいね。いいなー。羨ましい!!といわれた。なぜか知らないが、ハンカチ王子先生とこの頃は言われていた。
入学式も終わり、あとは教室に戻って係決め等をするだけとなった。
担任がゆっくりと話始めた。
『ええー。では、今から係決めをしたいと思います。自由に動いても構わないので、自分が活動したいと思う係りのところへ移動してください。じゃあ、始め!!』
たくさんの人が一度に動くので、移動が大変だな。と思い、移動しているなか、夏希に呼び止められた。
『このみ、係ってもう決めてるの?何にするつもり?』
夏希が不安そうに聞いてきたが、もう決まっていたのですぐに答えた。
『図書係にするつもりだけど。夏希、どうする?こっち来る?勝手に決めちゃって大丈夫なの?』
ついでに私が不安になっていたことをぶつけてみた。そうすると、笑顔で「大丈夫。このみが気にすること無い!!」と言い返してくれた。
決まったのならば早速、図書係のメンバーのいるところに合流するのみ。
図書係の集まる場所にいたのは、男子二人と女子一人だった。紙にメンバーと役割などを書く上で、男子は「城野優羽」と「浜名真也」、女子は「藤間成実」だとわかった。成実は元々友達だったこともあり話が弾んだ。
問題は男子二人の方だ。この二人のうち一人、真也は去年も同じクラスだったので何となくわかる。でも、あと一人の優羽だけは違った。小学校も違い、異性ということもあってか、全くの初対面。外見からすると、カッコイイ方だと思う。
じっと優羽を見ていると、夏希が邪魔をするように話しかけてきた。
『このみっ。委員決めないといけないみたいだよ。このみがなる?』
やりたくないかもと言う前に、優羽が話に入ってきた。ついさっきまで、真也と楽しそうに話をしていたと思っていたのに。
『ねぇねぇ、夏希と話してるのは名前なんて言うの?』
夏希が渋々言いたくなさそうに言った。
『このみって言う子だよ。あんたに関係ないでしょ!』
そう言っていたが、最後の一言は余計だったと思う。優羽に私から謝ろうとしたとき、
『めがねは黙っとけ。目でか!』
優羽がはっきりと言った。そのあとに続いて夏希が「はぁ!?」と返した。聞いていた私は正直混乱した。そこで夏希に聞いてみた。
『えっ、なんでこんなに二人とも仲良さそうなの!?』
