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starlit sky


第一話 金平糖

君の涙は、まるで金平糖のようにキラキラと光っていた。とても切なそうな顔をして静かに泣く君を、私はとても綺麗だと思ってしまった。
橙色に染まる教室に少し風が吹く。すると、君の涙が風に吹かれてまたキラキラと光る。また綺麗だ、と思ってしまう。涙に気をとられていた私は床に散らばったプリントに数秒だけ気づけなかった。
足元にプリントが飛んできて、わっと声を漏らすと君は私に気づいたようだ。君は驚いた顔をして涙をごしごしと拭った。
「な、なんだよあんた。俺になんか用??」
少し涙声の君の声はすごく弱々しくて、私まで涙が溢れそうになる。
「…泣きたいときは泣いていいんだよ」
私は、涙が溢れそうになりながらも聞こえるように声を出した。
「…あんたなんかになにが分かるんだよ……」
君は低い声でそう言った。そう、私は君のことなんにも分からない。泣いていた理由も。そうだけど、君が気になってしまったのは事実だから。これが迷惑だろうとなんだろうと、私は君に言う。
「うん。分からない。けれど、君が気になったから声をかけただけ」
そして、私は深呼吸をしてもう一度口を開いた。
「理由は聞かないけれど、君の力にはなれるかもしれない。もし、それがどんなに迷惑行為だとしても私は君に話しかけるのをやめないから」
君の目をまっすぐ見て私はそう言った。すると君は少し笑った。
「あんた、バカじゃねぇの。力になるとか、どこのヒーロー様だよ。でも、なんもねぇから。理由だってただ単に目薬入れただけだしな」
そう言って君は私から目を逸らした。そんなの嘘だって分かってるよ。だってさっき、涙声だったよ。そう言おうとしたけれどやめた。誰にだって聞いて欲しくないことだってあるから。


<2016/11/29 20:12 煠花>消しゴム
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