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僕というものの名は怪物
- 迷いの森へ -

僕はまだ、あの本のことが気になっていた。
でも、これからの休みで彼と会う予定はもうない。
1分1秒が過ぎるたび考えてしまう。

そのうち、無意識に僕の足はある場所に向かっていた。


家から少し離れた商店街。そこを抜ければ見えてくるはず。
僕が向かった先は、【迷いの森】だった。

多分もうここにしか情報はない。
でも、随分と人通りが多くて近づいたらすぐにわかってしまう。
準備するものもあったし、一旦家に帰ることにした。

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夜を待った。次第に商店街の店の人々は自分の店を閉め始める。
通りにも人っ子一人いなくなったところで、僕は裏路地から出てくる。

目の前に広がる壮大な森は、昼間にも増した不気味な雰囲気が漂っていた。


行くしかない。食料も確保してある。
大丈夫。


僕はその森に向かって走り出す。
町に僅かについていた光が、次第に木々に遮られ見えなくなった。


  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


もうどれだけ歩いたのかわからなくなった。
方位磁石で辛うじて進んでいる方向を変えずに行くことはできた。
月が木でできた地平線の向こうに消えたことから、入ってからかなりの時間が経っている。
でも全く、森の様子に変化がなかった。

休憩をはさんでいたものの、段々と疲れ始める。
何処かで長く体を休めたかった。
でもこんなところで寝たら確実に狼に食べられてしまう。


やっと朝日が差し込んできた。
入った時とは違い、中から見るとこの森はとても綺麗だった。
青い蝶が飛び、珍しい生き物たちが住み着いている。
そんなことを考えていると、湖が見えてくる。
透き通って綺麗だった。

でも僕は、もう一方のものに目を惹かれる。


建造物が湖のほとりに建っていた。
それも凄まじく高い塔だった。

―こんなところにも文明があったのかな。

しばらくそこで体を休めることにした。



塔の中は予想以上に清潔だった。
ところどころにまだ使える麻袋や、何が入っているのかわからない木箱が置いてある。

明らかに人がいたようだった。
でも、【気配】からしてずいぶん昔に。



この森に何があったのか。
僕はまだ何も知らない。


<2016/12/11 07:00 仮面ライダー08号>消しゴム
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