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僕というものの名は怪物
- 知っているはず -

目が覚めた。
僕は長いこと寝ていたらしい。
その証拠に、太陽はもう真上のほうまで登っていた。
疲れも随分と取れた。
ここに自分がいたことで、【気配】はいろんなところについて帰って来る時の目印代わりにもなるだろうし、もう少し奥まで進んでいくことにした。



森の中は向こう側から見たイメージとは全く違った。
青い蝶が飛び交い、小鹿なんかも見つけることができた。
でも危険は禁物だと、それだけはずっと心がけていた。



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もうかなり奥まで進んでいってしまっている。
あいつの【波動】は遠いところまで行ってしまっていた。
このあたりで自分も【波動】は消しておかないと気づかれる。

あいつは普通の人間ではないんだから。



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夜になった。
危険だとは思っていたけど、身を置ける場所がなかなか見つからない。
狼の声も聞こえてくる。
怖かった。
でも不思議と足は前に進むばかりだった。

その時だった。


ふわり、と闇の向こうに一点の光が浮かび上がる。

何度も見ていた、あの夢のように。

無意識に光を追いかける。
無我夢中で、何かを求めて。
夢とは違って光は遠ざからず、ただじっとそこにあった。


光の中に飛び込む。


その先は明るかった。
でも次第に暗くなっていく。
自分が持っていたランプが、その全容を映し出した。


声が出てこなかった。



そこにあったのは、まるで向こう側、僕の住んでいる町と同じような町だったから。


……ここにも文明が?
あるわけない。普通は。
でも。

目の当たりにした光景は常識とは180度違っていた。
町に近づこうとする。


横で何かが揺れた気がした。
はっと振り返っても何もいない。
気のせいかな。

でも、そんなのは思い違いだった。


後ろから何かに肩をつかまれ、ぐいっと引っ張られる。
それは明らかに、人のものだった。
抵抗する暇もなく、首になにか刺された。


うっすら見えた視界からなんとか判断する。

……注射器?

立ち上がろうとする。
一気に体が重くなり、動かすことさえもできなくなった。

「だ、れ……?」

黒い人影は、自分の瞼で見えなくなっていった。



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危なかった。
ほっと息を吐く。
薬はちゃんと効いてくれたようだった。

倒れたセイトを抱えて歩き出す。
ひとまず今は、これしか手段がない。



青目の少年は、静かにその場から去っていった。

<2016/12/27 17:15 仮面ライダー08号>消しゴム
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