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僕というものの名は怪物
- 出会い -

教室には誰もいないようだった。
彼がいないんだったらこの時間に来た意味が無い。
しばらく待っていよう。多分もうすぐ来るはずー…

背後で少しだけ空気が揺れた。

驚きと恐怖心で本能的に振り向いた僕の目には、青目の少年が映った。

一気にいろんな考えが頭の中に巡ってきた。
いつの間にいたんだろう?格好からすると僕より前に既に来ている。
なんでわからなかったんだろう。【気配】が全くなかったから感じられなかった。
ひとまず自分の席にはつくことにした。上手く足が動かせない。
なんでだろう…どうして
なんとか席にたどり着いたとき、寒かったはずの体は熱くなっていた。
ふっと息を吐くと彼は教科書類が規定数あるか確認している。
大丈夫、今なら持ち直せる…
でも予想外の出来事は、すぐに起こった。

彼に肩をそっと叩かれたんだ。
平常を装ったけれども、内心ではおかしいぐらいに不安と興奮が渦巻いていた。
「これ…違う?」
彼が見せてきたのは鍵だった。それは僕の家のものではない。
「……いや、僕のじゃないよ…」
「…そう」
少し素っ気なく彼は返してきて鍵を教室の「所持者不明物箱」にひゅっと投げ入れた。
「……あの」
「…?」
彼は僕が何を言おうとしているかなんてわからない。
言葉にしようとしたことが頭の中でかき消された。
「…セイト」
「え?」
「名前。…それで合ってるよな?」
「え?ああ…」
「昨日すぐに帰ったからさ、少し話そうと思ってたんだけど…」
驚いた。彼はあの中から教室から出ていく僕を見ていたんだ。
「俺はアルス。何処から来たかなんて聞いても絶対知らない場所だけど。」
返す言葉に困った僕は、やろうとしていたことを今ここでやってしまおうと考えた。
「…あの」
彼はじっと僕を見つめた。言葉の先を待って。
「…僕の友達になってくれない?」
彼は目を少し見開いた。しばらく考えるような間があったあと言葉を発した。
「随分と唐突なんだな。」
くすっと笑って彼は続ける。
「いいよ?俺でいいんなら。」
自分でも顔が明るくなっていくのがわかった。少年はその変わりようにまた少し笑う。


この日が、僕が今までの人生で一番勇気を使った日だった。
それと、一番今日が楽しく感じた日でもあった。

先ほどは送信ミスです……
続き書きます
<2016/12/04 05:12 仮面ライダー08号>消しゴム
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