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全部嫌いで全部好き
- 最終回 別れ -

もう少しでお互いの家へと着く。着いたら珠洲とはもう一生おさらばだ。

珠洲「・・・・最後だね。こうして歩いたり喋ったりするの…」

「・・・・・うん。」

珠洲の声はかすかに震えていた。

珠洲「お父さんもこんな時に転勤なんてひどいよね。」

「・・・・・うん。」

珠洲「会えるといいね。」

「会えないよ。」

思わず出てしまった言葉。

珠洲「え?」

「会えないよ。だって珠洲は海外へ行くんだろ。もう戻ってこないんだろ。会えないよ。変な期待持つよ

りは、現状を認めた方が楽だよ…。」

言いたかったことが、全部、、、珠洲に行っても意味ないのに、、、



珠洲「なにそれ!?私が行ったってどうでもいいってこと!?私は、、、それだけを希望に生きていく

つもりだったんだよ?」

珠洲は怒っていた。それは僕にもわかった。でも、それより先に僕の口は勝手に動いてしまう。

「生きるとかさ、まだこんな年なのに言うなよ。」

珠洲「次が最後の言葉になりそうね。」

もういいたい言葉は決まっていた。

「好きだったよ。会った時から。今までずっと。その笑顔や、声とか、すべて好きだったよ。」

僕は珠洲に軽く微笑みかけた。最後の告白だった。最後は光に満ち溢れた結末が待っているって、

本に書いてあったから、答えはOKだろう。

珠洲「なにそれ。くだらない。」

僕の目の前が、今、あの珠洲の言葉によって真っ暗に染まった。

珠洲「さよなら。」

僕はそのまま無言で、珠洲と別れた。

次目覚めると、朝だった。珠洲の家には、引っ越し業者の人が荷物を積んでいる。

もうすぐ出発だろう。別に、何も思わなかった。

ピルルルピルルル

ケータイが鳴った。

徒宇久「おい――――!!!三鈴―――――!お前、珠洲さん見送ったのか?」

「いや。喧嘩して、別にいいだろ。」

徒宇久「お前の一年間の気持ちはそんなもんだったのかよ――――!?俺は信じるぜ?三鈴!」

電話はそれで切れた。僕はすぐに、珠洲の家へと向かった。











                              駄目だった。


珠洲を乗せた車は、もう点となって見えるだけだった。

「珠洲………」

馬鹿だな僕って。あの時強がらなければ。あの時素直に謝っていれば。あの時自分の気持ちに気づ

いていたら。

数々の「あの時」が、僕の体にのしかかる。結局僕って、珠洲にあんなこと言われて正解だ。意気地

なしで、卑怯で…・だめだめな人間なんだ。

なんとなくポストを開けると、手紙が一通入っていた。

「誰からだろう。」

裏を見ると、『蒼華三鈴様へ』ときれいな字で書かれていた。

名前は、、、『蒼井珠洲』。

それから10年ほどの月日がたち、僕は会社でトップの成績を誇る、キャリアマンになった。

それでも時々、くじけそうになると、君の手紙を読むよ珠洲。珠洲もどこかで頑張っているんだよね。

僕がこんなに頑張っているんだから、頑張っていないとは言わせないよ。











蒼華三鈴様へ

三鈴。ごめん。そしてありがとう。一年間、いろいろあったね。二人でいっぱい乗り越えてきたね。

なのに私、あんなこと言っちゃって。三鈴に見捨てられて当然だよね。だから私は、何も言わずに立ち

去ることを決めました。最後まで卑怯者でごめんね。またどこかで会えるといいね。信じているよ。

ずっとずっと、大好きだったよ。

                                                蒼井珠洲より

終わりです!!!何とか終わりました!ながかった!!
<2017/02/04 17:51 A>消しゴム
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