あの人たちが憎い....
まわりの人が怖い....
わたしは怖い...?
ここは、私立の高校「海泉(かいせん)高等学校」。きれいで豊富な水が有名なことから、この名前がついたらしい。
ここに通う生徒は少なくはない。
交通機関が発達し、すぐ近くに電車やバスが通っているからである。
春がすぎ、爽やかな風が吹いている5月上旬、入学した生徒たちも気の合う人同士で喋ったり、本を読んだりしている。
この物語の主人公となる一人の少女、黒江己紀(くろえ このり)のいるクラスの雰囲気も似たような感じである。ただ、己紀一人を除いて。
己紀はなにかをかいている様子だが、誰も気に留める者はいない。いや、彼女の存在に気づいている者はいない、の方が正しいか。
だがそんななか、彼女をチラッとだけ見た者がいた。
それは、この物語のもう一人の主人公となる少年、白銀アクト(しろがね あくと)であった。
