「……ただいま」
夕方になり、家へ帰った。
辺りは赤く染まり、夕暮れが村を染め上げる
『おかえり』
誰かがそう言った気がする……。
…………え。
「……はぁ、なんで、家の中にいるの?鈴音。」
「えへへ。許してよ、朝日。私達、友達でしょ?」
悪戯っぽく笑う少女。
私の幼なじみであり大親友。宮島 鈴音。
ちなみに、村長の孫だ。
「……まぁいいけどさ。」
「あ、ご飯勝手に作って持ってきたけど……食べる?」
「うん、お腹空いた」
「ふふふ。……私の手料理。たくさん食べてね」
「あ、美味しそー。いただきます」
「あ、朝日のお父さんの分も置いておくね」
あぁそういえば、居たな……。死体みたいに動かないやつ。
「ぁ……うん。」
美味しそうなスープを一口。
「ん……美味しい。」
「でしょ!」
「おかわりってある?」
「ないよ」
「……そ、そっか」
鈴音と喋る時間。
何だろう。こんなにチクチクするものだっけ。
ーこの時、もしかしたらすでに、悪夢に毒されていたのかもしれない。あるいは、とっくの昔に手遅れになっていたのかも。……難しいなぁ、そう思いながら、もう一口、スープを口に染み込ませる。
その味は青年の笑顔のように甘ったるかった。
